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憧れの日本選手権で「得たものはツイッターの『いいね』ぐらい…」筑波大大学院→TikTokで大バズリ、三津家貴也が語る中距離ランナーの現実
posted2022/10/22 11:01
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Yuki Suenaga
陸上系インフルエンサーとしてTikTokフォロワー数38万5100人、YouTube7万6500人、インスタグラム7万4000人と若者を中心に多くの支持を受けている三津家貴也さん(数字はすべて10月22日時点)。銀髪の出で立ちで目を引く企画にチャレンジしながら、真面目に陸上の理論を動画の中で解説する……彼は一体何者なのか。全3回のうち#2/前回は#1、次回は#3へ
こんなにうまくいっているのにやめられない
三津家さんは、もともと筑波大学大学院で研究を続け、将来は高校の先生になろうと考えていた。しかし、研究を自らの走りに活かしていくと自己ベストタイムを更新。800m、1500mで日本学生陸上選手権に出場することができた。
この大会が三津家さんをインフルエンサーの道に誘うキッカケになった。
「全カレ(日本インカレ)は、入賞はイケるなって思っていたんです。でも、チェコの学会発表から戻って時差ボケがひどくて、体調を崩してしまったせいか予選落ちしたんです。それがもう悔しくて、悔しくて……。大学4年間、自己ベストを一度も更新できなかったけど、大学院で研究していく中で800mは3回、1500mは4回自己ベストを更新できた。こんなにうまくいっているのにこれを最後に陸上はやめられない。そうしたらスポーツサイエンスラボさんから声をかけていただいたんです」
博士課程に行くのをやめて、サイエンスラボに
スポーツサイエンスラボ(現ランニングサイエンスラボ)は、プロランナーや市民ランナーを対象に、サイエンスを活かしたプログラムを提供し、記録更新をサポートする会社だ。
「話を聞いたら、VO2maxとかデータを活かして市民ランナーの走りをサポートしている。自分の研究が活かせるし、しかも競技ができる環境でもある。そこしかないと思って、博士課程に行くのをやめて、サイエンスラボに行く事に決めたんです」