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J3初昇格なのに首位独走中、“タフガイ集団”いわきFCはなぜ強いのか? クラブの野望は「いわき市を東北一の都市に」

posted2022/09/02 06:00

 
J3初昇格なのに首位独走中、“タフガイ集団”いわきFCはなぜ強いのか? クラブの野望は「いわき市を東北一の都市に」<Number Web> photograph by J.LEAGUE

第20節までJ3首位を走るいわきFC。優勝争いは大混戦だが、そのアグレッシブな戦いぶりには熱い注目が集まる

text by

北條聡

北條聡Satoshi Hojo

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J.LEAGUE

 パッションとロジックを見事両立させた新参者がJの舞台で躍動している。今季J3に初めて昇格したいわきFCだ。

 光るのはその堂々たる戦いぶり。前半戦終了時点で最多勝ち点のみならず、最多得点、最少失点をマークし、首位で折り返した。

 強さの源はハイテンポのスモールフットボールにある。各々が絶えず近づいて狭い囲いを維持し、ボールの周辺で数の優位を手にする利点を最大限に生かしながら、攻守の両輪を高速で回すのだ。

 しかも、休みがない。試合終了の笛が鳴る瞬間まで切れ目なく走り回る。それが夏場でも変わらないのだから、異例の強度と言っていい。

 攻め方も異色。ピッチを広く使うのが攻撃の定跡だが、いわきのそれは電光石火の密集突破だ。縦パスを合図に各々が高密度で連動し、敵の防壁を破壊する。ワンタッチパスを絡めた連係の妙は、各選手の距離が近いからこそ可能な代物だろう。

 より狭く、より速く、より前へ。それをやり遂げた先に勝利が待っている。魂の息吹くフットボールというクラブの看板に偽りなし、だ。

野望は「いわき市を東北一の都市に」

 無論、一夜にして生まれたわけではない。田村雄三スポーツディレクターが5年間に及ぶ監督時代に下地をつくり、今季から指揮を執る村主博正新監督がそれを見事に発展させた。クラブの一貫した方針に基づいて、すべてが回っている。

 主力の大半は主将にして司令塔でもあるMF山下優人をはじめ、20代半ば前後の若者たち。科学的な知見に基づく練習で彼らのフィジカルを鍛え抜き、ノンストップで戦い続けるタフな集団を産み落とした。

 クラブを束ねる大倉智社長の野望は「スポーツを通じて、いわき市を東北一の都市にする」こと。必ずしも目先の結果にこだわっていない。ただ、やるべきことをやれば、自ずと結果がついてくる。クラブ創設からわずか7年でJに加わったいわきの躍進はその証だろう。

 すでに来季のJ2参入に不可欠なライセンスも申請済み。早ければ、今秋にもJリーグから結果が公表される。昇格条件の戦績(2位以内)を含め、期待は高まる一方だろう。ただ、結末がどうあれ、高みを目指し、休みなく走り続けるフロントと現場の姿勢に変わりはないはずだ。

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