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「朗希の後に投げる。それが理想だよね」ロッテスカウトが描いた“夢プラン”が実現中…打者が困惑する佐藤奨真の130キロ台直球と研究したカーブ
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千葉ロッテマリーンズ取材班Chiba Lotte Marines
photograph byChiba Lotte Marines
posted2022/06/11 17:00
今季すでに3試合に先発するプロ2年目左腕・佐藤奨真。白星こそないものの、好投が続いている
マリーンズのスカウト陣が佐藤に注目し始めたのは大学3年時。その試合のターゲットは国士舘大学・高部瑛斗(当時、現マリーンズ)だったが、その対戦投手としてマウンドに上がっていたのが1学年下にあたる佐藤だった。誰もが驚くような剛速球を投げるわけではないが、緩急を巧みに操って次々と打者を封じこめていく。バッターが首をかしげながらベンチに戻るシーンが、スカウトたちの脳裏に焼き付いた。
「社会人という選択肢も難しいという中で、育成という形ではありましたけど、プロの世界で野球を続けられているというのは本当に嬉しかったです」(佐藤)
影響を受けた星野伸之と今中慎二
佐藤の主な球種はカーブ、カットボール、スプリット。基本的にはその日、一番調子のいいボールを軸に配球を組み立てていくが、その中でもこれまでの野球人生で最も効果を発揮しているのがカーブだ。
中学校時代のストレートは125キロほど、関東一高時代には135キロほど。大学に入って142、3キロと着実に球速は上がったが、「球速が上がって調子に乗っていたら肩を壊してしまった。それからスピードを求めることはやめました」。
生命線となるカーブを参考にしたのはオリックスなどで活躍した星野伸之氏だ。
「高校の時から星野さんのカーブの動画をYouTubeなどで見つけて、研究していました」
投げ方は違えど、ドロンとしたカーブで打者を抑える姿に勇気づけられた。
さらにもう一人、参考にしたのが中日ドラゴンズのエースとして活躍した今中慎二氏だ。「カーブで遠投を行っていた」いうエピソードを参考に50メートルのキャッチボールでカーブを投げ続け、感覚を磨いていった。「あれで山なりのようなカーブの感覚を掴んだ」と振り返る。