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「日本一過酷な代表争い」を突破した国立静岡大野球部の“3つの掟”とは? スポ薦ゼロ、エースが教育実習で不在でも全国切符をつかめた理由

posted2022/06/04 06:00

 
「日本一過酷な代表争い」を突破した国立静岡大野球部の“3つの掟”とは? スポ薦ゼロ、エースが教育実習で不在でも全国切符をつかめた理由<Number Web> photograph by Shizuoka University

中京学院大戦に先発した静岡大・加藤翔太(4年)。春季リーグ戦では8イニングのみの登板だったが、1失点完投でチームを大学選手権に導いた

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高木遊

高木遊Yu Takagi

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 5月22日の東海地区大学野球春季選手権で静岡学生リーグの王者・静岡大が皇学館大(三重学生リーグ)と中京学院大(岐阜学生リーグ)を立て続けに破り、8年ぶり3回目となる全日本大学野球選手権出場を決めた。

 各県リーグを終えてから、総当たり戦での代表決定戦に挑むという「全国まで最も道のりが長い代表枠」を掴んだのは、国立の静岡大だった。

 菊池涼介(広島)、吉川尚輝(巨人)を輩出したことで知られる中京学院大の先発は、来秋ドラフト上位候補にも挙がる身長195センチの赤塚健利(3年)。“岐阜の大魔神”と注目を集める右腕に投げ勝ったのは、球速が120キロ程度の左腕・加藤翔太(4年)だった。

 この加藤、春の静岡学生リーグ戦での先発経験はリーグ優勝決定翌日の1試合のみ。その時でさえ2イニングしか投げなかったが、全日本大学野球選手権を決める大事な戦いで“1失点完投勝利”という大仕事をやってのけた。

 この快投が表すように、静岡大の強さは「逆境を跳ね返す力」にある。

エースが教育実習で不在に!?

「吉田が投げられない……」

 そんな一報が伝えられたのは、東海地区選手権が開催される数日前だった。

 吉田哉太(3年)は、静岡学生リーグで5勝を挙げ、リーグ最優秀投手を獲得した静岡大のエース右腕である。当然、“過酷な巴戦”でも活躍が期待されたが、教育実習中のために出場許可が下りなかった。というのだ。さぞ落ち込んでいるかと思われたが、静岡大には下を向く選手は一人もいなかった。主将の永井結登(4年)は「開き直れる要素はたくさんあったんです」と笑う。

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