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来季の10番候補が中学生!? 昌平高校サッカー部はなぜ強豪になれたのか…藤島監督が語る部活動の限界「6年強化の流れは加速していく」 

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安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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posted2022/05/20 17:01

来季の10番候補が中学生!? 昌平高校サッカー部はなぜ強豪になれたのか…藤島監督が語る部活動の限界「6年強化の流れは加速していく」<Number Web> photograph by Takahito Ando

昌平高校の下部組織にあたるFC LAVIDA(ラヴィーダ)に所属するMF山口豪太。今年3月のJヴィレッジカップでは、当時中学2年生ながら高校チームの10番を背負った

 現在、昌平高校で事務長(学校法人昌平学園 法人本部事務局長)も務めるサッカー部監督の藤島崇之が下部組織「FC LAVIDA」を立ち上げたのは2012年。「選手たちを育てる指導者の存在が不可欠」(藤島監督)と創設したのが始まり。“良い素材”を集めるだけでなく、指導者の育成という二軸の観点でジュニアユースチームが誕生した。

 近年の高校サッカー界でも「6年強化」は珍しくなく、青森山田(青森)や神村学園(鹿児島)、静岡学園(静岡)、日章学園(宮崎)などが全国屈指の強豪中学として知られてきた。昌平も同じ中高一貫校だが、特筆すべきは山口をはじめとするFC LAVIDAの選手の大半が昌平中学に在籍していないことだ。

 中高一貫校を持ちながら、部活ではなく、クラブチーム化したことでより多くの地域の子どもたちを巻き込んだ強化を実現。現在では近隣の中学校からだけでなく、関東近郊から昌平高校でのプレーを見越してFC LAVIDAの門を叩く中学生も在籍しているという。

JFA主催のリーグ戦には出場可能

 早くからその才能が開花した選手が山口のように、1つ上のレベルでプレーできる環境はJリーグユースさながら。インターハイや高校サッカー選手権といった高体連の試合に出場することはできないが、日本サッカー協会主催のリーグ戦(プレミアリーグ、プリンスリーグ、都道府県リーグ)では高校年代の試合に飛び級での出場が可能。昌平とFC LAVIDAはこの制度を活用し、早いうちからレベルの高い環境でのプレー機会を与えてきたというわけだ。ちなみに前述した現10番の荒井も中学時代から高校の練習に参加するなど高いレベルでの活動を経験したことが飛躍のきっかけにつながっている。

 昌平の他にも帝京長岡と長岡JYFC(新潟)など強化に成功しているケースがあるが、こうした組織がつくられた背景に、1つの社会問題が影響していると藤島監督は語る。

【次ページ】 藤島監督が明かす「部活動の限界」

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