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『イッテQ』スタッフが持ち帰った石で世界一を獲得!“水切り”を極めた日本人世界王者30歳が明かす、遠く美しく石を投げるコツとは
text by
齋藤裕(Number編集部)Yu Saito
photograph byYu Saito
posted2022/04/10 11:01
高校までの野球経験を生かした美しいフォームで水切りする橋本さん。フォームは元々のアンダーからサイド気味に変更した
計169mを記録した橋本の後には、ブリテン島から来た新鋭アレックス・ルイス(イギリス)が着岸の水切りを連発。しかし3投目がレーンから外れ、計126mに終わる。大本命と目された大会4連覇中の地元王者ドギー・アイザック(スコットランド)も、計158mで2位と及ばず。同大会初となるアジア圏からの王者が誕生した。
橋本は翌年にはペンシルベニアの大会にも出場し、優勝。橋本にとってもともとは、「より強い人と会いたい」というのが大会に出る動機で、「世界王者になる」ことが目標だった。2つを達成した今でも水切りを続ける理由は何なのか。
「たしかに世界で水切りが上手い人、全員と知り合いになれたかなーと思います。今は新しい大会に出て勝負するっていうのは、終わっちゃったのかなと思っています。ただ、水切りの活動自体は続けますよ。いくつになってもやっていると思います、体が動く限り。一番遠い目標としては、70くらいのおじいちゃんになったら、昔すごかった人として、テレビに出たいなーくらいの感じです。絶対ネタになるじゃないですか」
綺麗なものを生み出す
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――水切りの魅力って何なんでしょうか?
「単純に投げてるだけで、やっぱりうまく決まった時はなんか綺麗なものを生み出せたな、みたいなところがあるんですよ。ある種、芸術に近いもんだと思ってるんですよね。水切りって基本的には見て楽しむものだと思うんです。自分がこれを生み出せて、それが綺麗だなって思って喜ぶっていう」
――なるほど。
「あとは工夫する余地が多いっていうのはありますね。水面を選び、どの石を使うかによっても全然変わる。『いい石』といってもさまざまで、見つけに行くのも宝探し的な楽しさがあるんですよ。水面と石によって、毎回違った環境に身を置いて、楽しめる。飽きずにモチベーションを保てているのもそういった変化があるからかなと思います」
河原に移動しながら、水切りをしやすい石の特徴についても聞いた。
――水面を跳ねさせやすい石の特徴を教えてください。