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《大谷翔平2022年成績を予想》投手はサイ・ヤング賞候補、打者で本塁打王以上に期待したい「二刀流で30-30の偉業」とは
posted2022/04/08 11:00
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Nanae Suzuki
筆者は2021年シーズン前、大谷翔平の成績を予想した。
その前年の2020年、大谷は投手としてトミー・ジョン手術明けで2試合の登板にとどまり、打者としても7本塁打、打率.190にとどまった。それだけに2021年は、大谷の今後を占ううえで非常に重要なシーズンだった。
<投手成績>
予想:23登板8勝4敗127回13被本塁打70与四球160奪三振 防御率4.00
結果:23登板9勝2敗130.1回15被本塁打44与四球156奪三振 防御率3.18
<打者成績>
予想:140試合608打数180安打35本塁打80打点15盗塁60四球 打率.296
結果:155試合537打数138安打46本塁打100打点26盗塁96四球 打率.257
投手としてはかなりいい線をいったのではないかと思う。予想外だったのは後半戦になって制球力が非常に良くなったことだ。それによって防御率も向上。規定投球回数には31.2回足りなかったものの、エンゼルスのエースと言ってよい成績だった。
一方で打者としては――予想を大きく上回った。シーズン前半は60本ペースで本塁打を量産。そんな日本人選手は過去1人もいなかったし、この成績を予想せよというのは酷というものだ。
ユニバーサルDH、オオタニルールの恩恵は?
では、今年はどうなるのか? まずはMLBの現況について整理しよう。
世間では、ルールの変更によって、大谷翔平の成績がさらにアップするのではないかともっぱらの評判だ。
まず「ユニバーサルDH」の導入である。ナショナル・リーグも完全にDH制となることで、これまでインターリーグのナ・リーグのホームゲームでは、登板しない日は代打でしか登場できなかった大谷の出場機会が増えると考えられている。
昨年、エンゼルスのインターリーグは20試合。大谷は18試合に出場したが、先発出場は11試合だけで、打席数は55だった。ただし投手で出場していないときもDHとしてフル出場できるのなら、打席数は100近くになるだろうというのだ。
さらに「オオタニルール」の導入。
昨年のオールスターで先発した大谷は、降板後は特例的にDHでの出場を許されたが、今年のMLBではこのルールをレギュラーシーズンでも導入するというのだ。大谷は昨年23試合に登板したが、投手としての打席は65にとどまった。降板後もDHとして打席に立つことができるのなら、30打席以上の増加が見込めると見る向きがある。
2021年の大谷翔平の打席数は639だった。本塁打王を取ったブルージェイズのゲレーロJrは698打席、ロイヤルズのペレスは665打席。大谷の打席数が増えれば、本塁打も増えるだろう。そうなれば本塁打王だ、と世間は期待を膨らませているのだ。
大谷の休養日が少し増えると推測する理由とは
ただ、筆者はそう単純な皮算用が成り立つとは思わない。