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《大谷翔平2022年成績を予想》投手はサイ・ヤング賞候補、打者で本塁打王以上に期待したい「二刀流で30-30の偉業」とは
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNanae Suzuki
posted2022/04/08 11:00
スプリングキャンプでの大谷翔平。2022年も投打ともに日本・アメリカを大いに沸かせる活躍を見せるか
また昨年後半、大谷は盗塁数を増加させている。リードオフマンになれば、さらに機会は増えるだろう。個人的には「怪我」が心配なので、そんなに走らなくてもいいとは思うが――大谷は積極的な走塁を見せるのだとは思う。
ホームラン王以上に期待したい偉業は……?
それらを加味して、打者成績を予想するとこうなる。
2022年:150試合506打数135安打35本塁打79打点30盗塁120四球 打率.267
2021年:155試合537打数138安打46本塁打100打点26盗塁96四球 打率.257
四球数はさらに増えて120に達する。昨年の敬遠は20だったが、今季は30近くになるのではないか。警戒もされるし、厳しく攻められるので本塁打は35本、打点は79でタイトルには届かない。とはいえ十分な強打者の成績だ。盗塁は30に達し、MLBで過去65人しか達成していない30-30(30本塁打30盗塁)を記録し、MLBの歴史に名を遺す。
そして、投打の指標「WAR」はMVPを選考するうえで最重要のデータだ。
「Baseball Reference」社のデータでは、大谷は投手で打者で4.9(11位)、投手で4.2(7位)だったが、合わせ技9.1。投手1位のロビー・レイの6.7、打者1位のマーカス・シミエンの7.3を上回りMVPに選ばれた。
筆者の予想通りなら、今季は投手で6.0、打者で3.0程度、合わせ技で昨年同様9.0前後になるのでMVPの有力候補にはなるだろう(この状況が今後も続けば「MVP」の指標そのものが見直される可能性もあるだろうが)。
いずれにせよ、この予想は「大谷が怪我や故障をしない」ことが前提で、筆者はそれを最も懸念している。成績も大事だが「無事これ名馬」で、シーズンを全うしてくれることを何より望みたい。
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