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《王者に黄信号!?》マルケスが大転倒で脳神経麻痺…インドネシアGPで、KTMとオリベイラが悪天候でも速かったわけ

posted2022/03/25 17:02

 
《王者に黄信号!?》マルケスが大転倒で脳神経麻痺…インドネシアGPで、KTMとオリベイラが悪天候でも速かったわけ<Number Web> photograph by Satoshi Endo

悪コンディションのレースを制し、MotoGPクラス通算4勝目を挙げたオリベイラ。最高峰クラス昇格後3年目、ポルトガル出身の27歳

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遠藤智

遠藤智Satoshi Endo

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Satoshi Endo

 3月中旬、マンダリカ・インターナショナル・ストリートサーキットで開催された第2戦インドネシアGPは、KTMのミゲール・オリベイラが今季初優勝を遂げた。

 スタート進行が始まる直前に激しい雨が降り、1時間ほど遅れてスタートが切られた。このとき雨は上がっていたがコース上の雨量が多く、レース前半は、いたるところで盛大な水しぶきが上がり、上位陣をのぞけば視界不良の状態だった。そうした状況の中でオリベイラは予選7番手から好スタートを切って2番手に浮上。そしてトップを走るドゥカティのジャック・ミラーを5周目にかわすと、20周のレースを悠々独走した。

 オリベイラは、「ジャックの後ろにいるときは前が見えなくてワイパーが欲しいくらいだった」とコメント。実際、ミラーの後ろにいるときのラップタイムは速くても1分41秒台だったが、前に出て視界が完全に開けてからは1分39秒台に縮んだ。

 コースサイドで写真を撮っていても、視界不良なんだろうなあと思われるポイントは多かった。つまり、今回のレースは、マシンやタイヤといったハード面の要素だけでなく、いかに視界のいい位置で戦えたかという言葉に尽きるような気がする。コース上の水量が減り、水しぶきがそれほどあがらなくなった後半に入ったときには、すでに勝負はついていたという印象だった。

真っ白な世界を全開で走る恐怖

 僕も以前はライダーのはしくれだったが、水しぶきの中を走る恐怖は言葉では言い表せない。ドキドキしながら、水しぶきで真っ白な世界の中をただただ勇気をふりしぼって、前を走る選手の背中やシートカウルを見ながらついていく。そしてコーナーが迫り前を走る選手たちがブレーキングを開始すると、視界が開けていく。それはまるで水のカーテンが路面に向かってスルスルと降りていく感じで、実に不思議な光景でもある。それを何度か繰り返したころには、視界良好なトップグループの選手たちは、もう、完全に手の届かないところに走り去っているというのが、激しい雨、特にコース上の雨量が多いときの典型的なレース展開である。

 実際、今大会で12位になったホンダのポル・エスパルガロが、こうコメントしている。

「スタートのポジションも悪く、序盤は水しぶきで視界が悪く、前がよく見えなかったので前者のテールランプを見てアクセルを開けていた。その選手を抜いたら今度はバイザーの汚れなどで前が見えなかった」

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