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「なぜロコ・ソラーレは負けても笑顔でハグ?」「リンドコーチの役割とは?」解説者・金村萌絵に聞く“カーリングの素朴な疑問”
text by
金村萌絵Moe Kanamura
photograph byJMPA
posted2022/02/16 17:40
韓国に敗れた直後、笑顔でハグをするカーリング女子日本代表のロコ・ソラーレ。結果がどうあっても、明るさは決して失わない
ロコ・ソラーレのなかで一番英語を流暢に扱えるのが吉田知那美選手なので、リンドコーチの話の細かいニュアンスは彼女が伝達しているようですね。ただ、ほかの選手たちもオンラインで英語を勉強中と聞きました。チームとして、コーチとのコミュニケーションが円滑になるのはとてもいいことだと思います。
ロコ・ソラーレは意識的に「ゾーン」に入れるチーム
韓国、イギリスに連敗して4勝3敗になりましたが、まだまだ決勝トーナメント進出への望みは残っています。16日夜のアメリカ戦は本当に大切な大一番です。最終的に勝ち星が並んだ場合、直接対決の結果で勝ったチームが優先されるので、順位で競っているアメリカに負けてしまうと非常に厳しくなります。
イギリス戦は戦術的な部分を敗因にあげましたが、総じて見るとやはりショットのミスで苦しんでいることが多い印象です。ただ、鈴木選手がすごくいい状態になってきているので、大会を通じて安定している吉田夕梨花選手を含めてリード、セカンドで優勢を作れるはず。そこに吉田知那美選手、藤澤選手の調子が上がってくれば、大きなチャンスがあると思っています。
日本がバランス型のややアグレッシブなチームなのに対して、アメリカはどちらかというとディフェンス寄りのチームで、ロースコアのクリーンな展開を好みます。主導権を握らせず、ストーンをハウスに溜めるジャンキーなゲームに持ち込んでほしいですね。
韓国戦、イギリス戦と厳しい試合が続きましたが、それでも明るさを失わないのがロコ・ソラーレの強みです。自分たちのいいところが出せずに負けてしまっても、まずは笑顔でハグをする。リザーブの石崎琴美選手に聞いたところ、練習ではピリピリしたところもあるそうです。それでも試合中は必ず明るくポジティブでいるというのは、彼女たちの意識の高さがよく表れています。
私の現役時代は、いわゆる「ゾーン」のような状態に意識的に入るという概念がありませんでした。ロコ・ソラーレの場合、特にスキップの藤澤選手がゾーンに入った状態で投げられるよう、リラックスしたいい雰囲気を自分たちで作っている。カーリングを楽しむ姿勢が勝ちにつながることをよくわかっているんでしょうね。アメリカ戦、そしてスイス戦とタフな戦いが続きますが、追い詰められたときこそ、持ち前の芯の強さで「楽しいカーリング」を見せてほしいです。
(構成/曹宇鉉)
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