「ロコ・ソラーレに慣れると他国は怖いかも（笑）」解説者・市川美余が語るカーリング女子の見どころ「きっかけは“もぐもぐ”でいい」

　カーリング界で一時代を築いた中部電力で活躍し、2014年5月に引退を発表した市川美余。現役を退いた後は、意識的にカーリングと距離をとる生活を送っていたという。

「引退から半年くらいは、『しばらく関わりたくない』と思っていました。それまでの人生はずっとカーリング漬けで、離れたらどうなるんだろうという好奇心がありましたし、カーリングのことを考えないでぼーっとしたいな、という気持ちもありました」

　中部電力時代に全力で取り組んだからこそ、一時的に競技への情熱が燃え尽きたような状態になっていたのかもしれない。

「その間はカーリングを見もしなかったし、氷にも乗りませんでした」

©Yuki Suenaga

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解説の心得は「なるべく感情が出ないように（笑）」

　2014年の終わりが近づいてきたころ、関係者からある連絡を受けた。12月に地元で行われる「軽井沢国際カーリング選手権大会」での解説の依頼だった。周囲にも相談し、引き受けることを決めた。引退してから間が空いたことも心理的に大きかっただろう。

　初めての解説は、選手時代とは異なる新鮮な体験だった。

「難しさもありましたが、今までと違う形でカーリングの楽しみ方を知りました。こんな楽しみがあるのなら、続けてみたいと思えたんです」

　以来、機会があれば解説者を務めてきた。念頭にあるのは、カーリングの魅力をわかりやすく伝えることだ。

「カーリング自体、観るのも楽しいスポーツだと思いますが、同時に難しさもあると思います。だから面白さをよりわかりやすく伝えられたら、と。『もっとカーリングの奥深さを知ってほしい』もそうですが、裾野が広がるように『そもそもカーリングとは？　どんなルール？』という部分を噛み砕いて、多くの人に知ってほしいというスタンスです」

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