“五輪金メダル”堀米雄斗でも獲れなかったのはなぜ？…スケボー界のバロンドール「SKATER OF THE YEAR」とは何か

　毎年師走が近づくと、様々なスポーツメディアを賑わすのが1年間で最も活躍した選手を表彰するアワードだ。

　野球では大谷翔平が満票でアメリカンリーグのMVPに選ばれ、サッカーでは僅差であったものの、リオネル・メッシが史上最多を更新する7度目のバロンドールを受賞した。

　もちろんこれらの情報はすでに多くの方の周知の事実かと思うが、今夏開催された東京五輪で日本中を熱狂させたスケートボードの世界にも、通称SOTY、「SKATER OF THE YEAR」と呼ばれるアワードがあるのをご存じだろうか。これはスケートボードの本場、アメリカにおいて現在最大手に位置付けられている専門誌『Thrasher』マガジンが、その年に最も活躍した人物に贈る、スケートボーダーにとって最高峰の称号となる。

　そのため例年12月になると、愛好者の間では「今年は誰が選ばれるんだ!?」といった類の話が出てくるのはお決まり事項なのだが、今年は特にそれが騒がしかった。なぜなら日本から堀米雄斗がファイナリストの6名に選ばれ、選出が有力視されていたからだ。

東京五輪で金メダルを獲得した堀米雄斗　©JMPA

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五輪金に、有力紙の表紙…堀米雄斗の“前例のない活躍ぶり”

　思えば今年の彼の活躍は例年以上に凄まじいものがあった。すでに多くの国民がご存じのように、東京五輪での金メダルはもちろんのこと、その前哨戦にあたる「Street Skateboarding World Championships」でも優勝。前述のThrasherマガジンにおいても日本人では初となる表紙＆特集で登場し、さらには自身のボードスポンサーであるApril Skateboardsから『The Yuto show！』というフルパート（スケーターのトリックやラインを数分にまとめた映像作品）のリリースなど、まさに前例のない活躍ぶりだった。

　そこに今月初旬、畳みかけるようにリリースしたのが、同じく彼のスポンサーであるSpitfireからリリースされた『Yuto Horigome's “Spitfire” Part』という映像作品だ。

投票日直前にもビデオパートを公開　結果は…？

　これは12月2日にオンライン上に公開されたものなのだが、実はこの公開日にも大きな意味がある。それは毎年師走になると前述の「SKATER OF THE YEAR」の投票がオンラインで行われるからである。その直前での映像作品のリリースは、投票する側の脳裏に強く刻まれるため、得票に大きな影響力を持つと考える者も多く、例年話題となる作品が次々と公開される傾向にあるのだ。

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