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ラグビーPRESSBACK NUMBER
主将は美大進学、OBには医学部も…「練習が長いと集中力が切れる」静岡・強豪ラグビー部の“ガチ文武両道な学校生活”に密着
text by
間淳Jun Aida
photograph byJun Aida
posted2021/12/04 06:01
部活で全体練習中の聖光学院ラグビー部。学校生活から彼らの取り組みは独特だ
美大に進学する主将が勉強したこととは
丸尾主将は高校卒業後、美大に進学する。花園切符をかけた県大会真っ只中に受験して合格した。主に部活がない日や休み時間に受験勉強していたという。試験には「構想力テスト」があった。社会問題に対して、自分なりの解決策を文字と絵で回答するものだ。
「社会では今、どんな問題があるのかを知っておかないと解けないので、読書などで時事問題の知識を増やしました。イラストやレイアウトの勉強もしました」
花園出場と美大合格。部活だけの高校生活にならない「文武両道」を体現した。
こうした先輩の姿を後輩も追っている。2年生の平野選手は中学時代もラグビーをしていた。練習は月曜を除く週6日。週末は3時間みっちり練習した。高校に入って週3回に練習が減り、最初は戸惑ったという。
「練習時間が短くて大丈夫かなと心配でした。ただ、かなりきついと感じたので内容が濃い練習ができているから問題ないと、すぐに思うようになりました。中学の練習も充実感はありましたが、練習が長いと集中力が切れてしまいます。個人的には、短い練習時間の方が合っていると考えています」
「今は勉強を第一に考えています」
時間を効率的に使えるようになり、グラウンド外でも変化が生まれた。
「1年生の時はラグビーのことばかり考えていましたが、今は勉強を第一に考えています。勉強は、部活でやっているように弱点や課題を明確にして、優先順位をつけるようにしています。3年生の時に花園出場と大学合格の2つを成し遂げるのが目標です。部活は週3日なので、勉強する時間はたくさんあります」
平野選手は地元の国立大学を目指して、部活のない日は毎日3時間勉強している。部員の中には寮生活でも塾に通っている人もいるという。「全国的に見たら、ラグビーも勉強も、まだまだ上があるので両立していきたいです」とは平野選手の言葉だ。週3回の部活で静岡県の頂点に立った静岡聖光学院ラグビー部。OBには国立大や医学部に進んだ生徒もいる。文字通りの「文武両道」を形にする伝統が引き継がれている。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。