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ラグビーPRESSBACK NUMBER
主将は美大進学、OBには医学部も…「練習が長いと集中力が切れる」静岡・強豪ラグビー部の“ガチ文武両道な学校生活”に密着
text by
間淳Jun Aida
photograph byJun Aida
posted2021/12/04 06:01
部活で全体練習中の聖光学院ラグビー部。学校生活から彼らの取り組みは独特だ
フランスの学生や英語力をつけるためにオンラインで
海外を意識した活動にも放課後の時間を活用している。
第2外国語に日本語を学んでいるフランスの学生と、オンラインで交流を深めている。フランスで人気の俳句をテーマにした合同授業を行ったり、フランスの学生が日本語を習得できるように英語を交えて会話のパートナーを務めたりしている。
他にもラグビー部の中には、海外の大学入学に必要な英語力を身に付けるために、オンライン講座を受けている生徒もいる。
聖光ラグビー部が限られた活動時間で結果を出している特徴に「映像の活用」と「ディスカッション」がある。そのスキルを高める秘密が普段の授業に詰まっている。
練習やミーティングで映像を活用しているのは、映像が身近にあり、そのメリットを理解しているからだ。学校では生徒が1人1台、タブレットを使っている。
例えば、英語の授業。あるクラスでは、教室のスクリーンに映し出された映画を教材にして、生徒はタブレットで必要な情報を集めている。他のクラスでは、教室を飛び出してショートムービーをつくっている。英語のセリフで演技をする生徒を、別の生徒がカメラで撮影。ディレクターもいる。撮影した映像は、生徒たちで編集してVTRにするという。学年やクラスによって授業の内容は異なるが、映像がそばにある日常は共通している。
フリーアドレスのオフィスのような教室
別の教室では丸テーブルでグループに分かれた生徒たちがパソコンを操作している。高校の教室とは思えない開放的なしゃれた空間に、「ヒゲダン」の曲が大音量で響いている。プログラミングの授業だ。時々、外部の専門家を招いての講義も開かれているという。
聖光学院の校舎には、フリーアドレスのオフィスのような教室が多い。教師の話を一方的に聞くのではなく、生徒同士で意見を交わすスタイルが校風になっている。
ラグビー部の主将・丸尾瑛選手(3年)は「日頃の学校生活から自分の意見を伝えたり、話し合って結論を出したりしているので、コミュニケーション能力が上がっていると思います」とラグビーにもつながる効果を口にする。
理系に進んでいる平野怜選手(2年)も「グループワークの授業が多いことや、学校に映像設備が整っていることが、部活につながっていると思います。部活の時も自分から意見を言わないとチームメートに伝わりませんし、話し合うのが当たり前になっています」と語る。