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「バントはムリオ、右打ちなんて意味ナシオ」が信念を捨てた日…新庄剛志新監督は現役時代から“真っ当な野球観”を持っていた

posted2021/11/29 06:00

 
「バントはムリオ、右打ちなんて意味ナシオ」が信念を捨てた日…新庄剛志新監督は現役時代から“真っ当な野球観”を持っていた<Number Web> photograph by KYODO

現役時代ともに戦った1学年下の稲葉篤紀新GM(右)。新庄ビッグボスの印象を問われ「全然変わってないです」

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石田雄太

石田雄太Yuta Ishida

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KYODO

 監督でなくビッグボスと呼んでほしいのだそうだ。インドネシアのバリ島で暮らしているときにそう呼ばれていたからだとか……いやはやファイターズの監督となった新庄剛志からは、キャッチーで破天荒な言葉が次々と飛び出した。

 ビッグボス曰く「優勝なんか一切目指しません」「僕の人生、勘ピュータで突き進んでいるだけなので」「今のプロ野球、時代が時代がって時代に逃げている感じがする」「僕が帰ってきたことによりコロナはなくなり、球場は満員になります」

 ついにウイルスまでも駆逐する勢いのビッグボスだが、監督として真っ当な言葉もさりげなく口にする。極めつけが、この一言だ――「ヒットを打たなくても点は取れる」。

 そう、現役時代の新庄は決してパフォーマンスだけの選手ではなかった。それは2006年、ドラゴンズを倒した日本シリーズからも見て取れる。「バントはムリオ、右打ちなんて意味ナシオ」と嘯いたこともある新庄が、一つの勝利が重い日本シリーズでは右打ちに徹し、率先してバントをする選手になっていた。

2006年日本シリーズで見せた“つなぎのバッティング”

 たとえば第2戦、ファイターズが1点をリードされた7回、エラーのランナーが一塁に出た。一発が出れば逆転というおいしい場面で、新庄はドラゴンズの山本昌が投じたアウトコース低めへ逃げていくスクリューボールを押っつけて右方向へ運ぶ。これがライト前にポテンと落ちるヒットとなり、ワンアウト一、三塁とファイターズのチャンスが広がった。その直後に金子誠がヒットを打って、新庄が逆転のホームイン。まさにつなぎのバッティングがチームに逆転劇をもたらしたのである。新庄はかつて、こう話していた。

「僕って、どこで野球やっても2割5分のバッターなんです。高校野球でもプロ野球でも、メジャーリーグでも、けっこうホームランも打てちゃう、2割5分のバッター(笑)」

 どのレベルでも2割5分というのは普通に考えれば不可解なのだが、この言葉を聞けば納得させられる。

「これからはセ・リーグでもない、メジャーでもない、パ・リーグでもない、新庄剛志です」

 バッターの常識にも既存の監督像にも縛られない。栗山英樹が蒔いた種に、新庄剛志ビッグボスはどんな水をやろうというのだろうか。

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