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プロ野球PRESSBACK NUMBER
《新庄ビッグボス》へ日ハムOB・西崎幸広が提言「思い切ったコンバートも驚かない」「監督の言葉を“翻訳”する存在が必要」
text by
元永知宏Tomohiro Motonaga
photograph bySankei Shimbun
posted2021/11/16 11:05
来季からチームを率いる新庄剛志新監督に、西崎幸広氏が期待を語った
――清宮に「痩せたほうがモテるよ、カッコいいよ」と言ったり、吉田輝星を「めっちゃ速くね? 俺、現役の時、打てないと思う」と褒めたり。親子ほど年齢の違う若い選手とコミュニケーションを図っています。
西崎 選手の気持ちをうまくくすぐっていますし、言葉の裏に独自の理論があるのは間違いありません。
コーチ陣の組閣は「仲良しこよしでは困る」
――心配な点は?
西崎 気になるのは、これからも選手よりも目立ちそうなところ。マスコミはどうしても監督のほうにフォーカスしてしまうので、そのときに選手がどう感じるか。そこが怖い部分ではあります。もうひとつは、彼の野球理論にコーチや選手たちがついていけるかどうか。
――日程にゆとりのあるキャンプ中はひとりひとりと会話することができますが、シーズンに入れば難しくなります。
西崎 野球界の常識にない斬新なことをどんどんやってほしいけど、新庄監督の野球理論を選手たちにしっかりと伝えられるかどうか。曲がって伝わったり、ブレてしまうとうまくいかなくなる。選手たちを締め付けすぎるのもよくないけど、野放しにしてしまうのも問題です。しっかりと、引き締めるところは締めないと。
――そのあたりをどうするか、難しいところですね。
西崎 監督はのびのびやらせてもいいけど、選手たちを引き締める役割が重要です。稲葉GMとどう連携するのか、コーチ陣がどれだけ厳しくできるのか……。
その点、監督の言葉や思いを選手たちに翻訳してあげられる存在が必要だと思います。選手側の気持ちを監督に伝えるコーチもいないといけない。仲良しこよしのコーチ陣では困ります。
――クッションになる存在が必要なんですね。
西崎 僕の現役時代は、監督と選手が直接話をする機会はあまりありませんでしたが、コーチが間に入ってとりなしてくれました。「俺が責任を取るから思い切ってやれ!」と言ってくれるコーチがいまはほとんどいない気がします。それはさびしい。
監督が何をやりたいかを理解して、それをきちんと選手に伝えるコーチがいて初めていいチームができる。そこが難しいところです。