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ユニヴァーサルDHとユニコーン大谷。来季ナ・リーグもDH制導入で「打席に立つ投手」は大谷翔平だけに!?

posted2021/11/06 06:00

 
ユニヴァーサルDHとユニコーン大谷。来季ナ・リーグもDH制導入で「打席に立つ投手」は大谷翔平だけに!?<Number Web> photograph by Getty Images

ワールドシリーズ第5戦に代打で登場してライト前ヒットを放った、アストロズのザック・グリンキー投手

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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 ワールドシリーズ第5戦は、記念すべき一戦となった。勝敗の結果はともかく、「これで見納め」という試合の形態が取られたからだ。

 第5戦は、ブレーヴスの本拠地アトランタのトゥルーイスト・パークで行われた。ナ・リーグの球場だから、DH制は採用されない。だが、これを最後にこのフォーマットは廃止される。2022年以降、ナ・リーグもDH制を採用することがほぼ本決まりとなったのだ。

 いいかえれば、投手が「強制的に」打席に立たされるルールは、今季が最後になる(ちなみに、ワールドシリーズ第5戦で最後に打席に立った投手は、アストロズのケンドール・グレイヴマンだった)。2020年の短縮シーズンでも、ナ・リーグはこの方式を実験的に採用していたが、今度はどうやら積年の課題に最終的な答が出されたようだ。「ユニヴァーサルDH」(両リーグ共通のDH制)という用語も頻繁に見かけるようになった。

数字で見るDHの効果

 ア・リーグでDH制が初めて採用されたのは、1973年にさかのぼる。初年度のリーグ打率を見ると、ナ・リーグが.254/1550本塁打で、ア・リーグが.259/1552本塁打だ。あまり差は出ていない。

 大きな差が出たのは、80年代後半になってからだ。89年は、ナ・リーグの.246/1365本塁打に対して、ア・リーグが.261/1718本塁打。96年はナ・リーグの.262/2220本塁打に対して、ア・リーグが.277/2742本塁打。

 ともに打率で15ポイントの差がつき、本塁打の数もかなり開いている(89年のナ・リーグは全12球団で、ア・リーグより2球団少なかったが)。

 エドガー・マルティネス、デヴィッド・オルティース、ネルソン・クルーズといったDHのスペシャリストが続々と登場し、観客の人気を集めるようになったのもこの時期以降だ。

 ナ・リーグでも、DH制採用の論議はずいぶん前から盛んだった。最終的な引き金となったのは2021年シーズンの打撃不振だろう。ナ・リーグの平均打率が.242、ア・リーグのほうは.245。大きな差は見られないが、本塁打数は2885本対3059本とずいぶん開いている。もっとも、MLB全体の平均打率も.244と低い。1871年以降で見ると、史上5位タイの低打率に落ち込んでいる。

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