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阪神・佐藤輝明“復活”のヒントは「大谷翔平」と「ヤクルトの破壊力」に? タイガース元4番・濱中治が示した仮説とは
text by
豊島和男Kazuo Toyoshima
photograph byHideki Sugiyama
posted2021/10/08 11:06
10月5日に60打席ぶりとなる安打を放った阪神・佐藤輝明。ルーキーの復調は佳境に突入したペナントレースにおいてカギを握っている
「僕はヤクルトにもいましたが、なぜ伝統的にヤクルトの打線がいいのかと思ったことがあります。もちろん、素晴らしい指導者の方や選手がいることが大前提ではありますがね。ただ、ヤクルトの打力と室内での打撃練習に因果関係があるのではないか。室内での打撃練習が状態を上げる要因の1つになっているのではないかとも思っていました」
ヤクルトの本拠地である神宮球場は大学野球の聖地である。プロ野球のシーズン中もアマチュア野球が同球場を使用。そのため特にヤクルトはアマチュア野球の開催日は室内で練習を行うことが頻繁にある。野手にとっては決して恵まれた環境ではない。しかし今季もチームの打撃力は健在。
その現状を踏まえて濱中氏は1つの仮説を示した。
「やはり室内だと自然とコンパクトに振るようになります。屋外では、どうしても飛ばしたいと思う気持ちが無意識で働いたり、飛距離を意識したりすることもあります。特に風の影響もある広い甲子園となれば、無意識でスイングが大きくなっていることもあります。そこでフォームを崩してしまうこともあります。もちろん屋外で打撃練習をするメリットも多くありますが、調子が悪いときなどは室内だけで練習する時間を増やしてもいいと思います」
第2、3戦は大学秋季リーグがある
16年ぶりのリーグ優勝を狙う阪神タイガースにとって佐藤輝明の復活がカギを握っている。10月8日からは敵地・神宮で首位ヤクルトとの3連戦。優勝争いを大きく左右する首位攻防戦となる。
奇しくも、9日の第2戦、10日の第3戦は午前から東京六大学野球秋季リーグ戦が開催。そのため阪神、ヤクルトとも試合前は室内練習で決戦の準備を進めることになりそうだ。
驚異の破壊力を誇る高津ヤクルトか。安定した投手力と佐藤の復調をプラス材料に投打のバランスで勝負に挑む矢野阪神か。
ついにペナントレースがヤマ場を迎える。
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