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阪神・佐藤輝明“復活”のヒントは「大谷翔平」と「ヤクルトの破壊力」に? タイガース元4番・濱中治が示した仮説とは
text by
豊島和男Kazuo Toyoshima
photograph byHideki Sugiyama
posted2021/10/08 11:06
10月5日に60打席ぶりとなる安打を放った阪神・佐藤輝明。ルーキーの復調は佳境に突入したペナントレースにおいてカギを握っている
当然ながら首脳陣は悩めるルーキーに対しても様々な角度からの指導やメンタルケアを含めたサポートに努めている。ただ、生みの苦しみは想像以上に続いた。9月29日の広島戦(甲子園)では代打出場して凡退。これで54打席連続無安打となり、2リーグ制以降の両リーグ野手ワースト記録を更新した。連続無安打は10月3日の中日戦(甲子園)まで実に59打席まで伸びた。
ただ、天性のホームランバッターとして球団新人未到の域に達する金字塔を打ち立てたことも記憶に新しい。今季90試合目となった8月19日のDeNA戦(東京ドーム)では左翼スタンドへ23号ソロアーチを放ち、1969年の田淵幸一氏を抜いて球団新人最多本塁打記録を更新。球団の歴史を塗り替える快挙で球団史上最強の新人スラッガーとしての称号も手に入れた。
「何より1本出たことによって気持ちが楽になります。それだけ大きな1本です」
ヒントは大谷翔平の練習法?
60打席ぶりの安打で復調へのきっかけとなる一筋の光は視界に捉えたはずだ。しかし、次のステージとなる完全復活へ向けては、今季は日本人メジャー最多の46本塁打を記録した“大谷翔平流”の練習法導入を提案した。
「ご存じの方も多少はいると思いますが、メジャーでは屋外で打撃練習を行わない選手が一定数いるようです。その中にはホームランバッターが多いとも聞いています。二刀流という理由があるかもしれませんが、大谷選手も今季の試合前は開幕戦以外、すべて屋内で打撃練習をしていたみたいです」
日本では試合前にほぼすべての野手が屋外で打撃練習を実施する。練習前に室内練習場で個人的に打撃練習を行う選手は存在するものの、屋外での打撃練習がスタンダード。一方、近年のメジャーリーグは室内での打撃練習が日常化。「(屋外での打撃練習は)ホームランダービーになってしまう」。そう、意図を話したメジャーリーガーもいた。
濱中氏はメジャーのトレンドも参考に、屋内で打撃練習を行うメリットを解説した。