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「堀米雄斗効果でスケボー人口が急増している」ブームは本当か? スケボーパーク利用者は1.5倍、スクールの問い合わせは5倍も… 

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沼澤典史

沼澤典史Norifumi Numazawa

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posted2021/09/30 17:04

「堀米雄斗効果でスケボー人口が急増している」ブームは本当か? スケボーパーク利用者は1.5倍、スクールの問い合わせは5倍も…<Number Web> photograph by AFLO

東京五輪スケボー(ストリート)、初代王者に輝いた堀米雄斗(22歳)。スケボーブームが来ているというが実態は?

「現在、子どもたちがスケボーを始める理由は『五輪を見たから』がほとんど。五輪前後ではパークの利用者は1.5倍以上に増え、親子で始めるケースも多いです。親御さんがスケボー経験者の場合もありますが、親子ともに初心者のケースが増えています。いまはコロナのご時世なので、室内パークは上限50人としているんですが、入場制限がかかるほどの盛況ぶりです。僕はスケートボード歴21年ですが、パークで入場制限がかかることなんてなかった。いい意味で異常事態ですね」

 こうして競技人口が盛り上がれば、もちろん用具の販売もうなぎのぼりだ。

「五輪種目に決定した2016年以降からスケートボード関連商品は徐々に売り上げが伸び始めました。コロナの影響もあり、特に2019年度、2020年度は大きく前年比を超えました。コロナによって密が避けられ、集団競技の活動が制限されたことで、ひとりでできるスケートボードの需要が高まったようです。五輪後も順調な売り上げ傾向を見せています。弊社では1970年代後半からスケートボードを扱っていますが、ここながらくサーフィンやスノーボード用品の売上比率が高い状況。スケートボード関連は目立たない部門でしたが、担当者たちの評価も上がってきました」(嶋田氏)

スクールの問い合わせが5倍に

 一方、五輪効果を感じているのはムラサキスポーツのような大規模量販店だけではない。大田区糀谷でスケートボードショップ「fifty fifty Skateboard Shop」を営み、同区内の「城南島海浜公園スケボー広場」でスクールも担当する冨田誠氏のもとには、問い合わせの電話がひっきりなしだという。

「五輪後はスクールの問い合わせが1日15件ほどあり、以前の5倍になりました。昔は圧倒的に子どもの生徒が多かったですが、最近は初心者の大人も増えています。4歳~65歳まで幅広い年齢層がパークを訪れている印象ですね。ただ、コロナ対策としてスクール開催時は、人数制限をしていますが……」

 こう冨田氏が話す間にも、スクールに関する問い合わせの電話が鳴る。コロナ前はスクールに200人集まっていたというから、もし人数制限がなければさぞかし壮観だったろう。

【次ページ】 千葉、藤沢、東京…スケボーパーク計画も続々

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