欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
「クボ、ユニフォームちょうだい!」久保建英の“ティキタカ”は地元の子供、タクシー運転手にも人気… ビジャレアル相手に見せた敬意とは〈激写〉
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2021/09/22 11:02
昨季所属したビジャレアルと戦った久保建英。エストゥピニャンの激しいマッチアップ
サイドでパスを受け、縦への突破を図る久保。いつもなら相手を置き去りにできるタイミングでしたが、左サイドバックも対応してきます。
マジョルカのルイス・ガルシア監督が試合後会見で「最初の15分間は苦しみ、20分間で3回もシステムを変更した」と話したように、ビジャレアルを崩すことができない状況に、久保は頭の中で必死で状況を整理し、打開策を生み出そうとしていました。
マジョルカの攻めのターンも、大半がハーフラインよりも下の自陣からのスタートになってしまい、相手ゴールまでなかなか攻めあがることができませんでした。
アジアマーケットを意識して、と言われる14時開催となったこの日も非常に暑く、給水タイムが取られました。ビジャレアルの選手たちがポジションに戻ろうとする中で、必死に監督からの戦術が伝えられていました。
ボールカットから、相手をかわしてボールを運ぶ久保。徐々にエストゥピニャンを攻略する時間が増えてきました。両監督がテクニカルエリアで見つめる中、ボールを展開する場面もありました。
久保のラストパスで最大の決定機を作ったが
給水タイム後、前線からプレスをかけ始めたマジョルカに、チャンスが増え始めました。後半も序盤は守備ブロックを敷き、給水タイム後に前線からプレスに行く戦術を取っていたことからも、格上のビジャレアルに対して、前後半それぞれ最後の15分ずつに攻勢をかけていたようです。
久保と縦関係でコンビを組む右サイドバックのマフェオが負傷交代。久保がかなり寄って激しくプレスをかけますが、ビジャレアルはしっかりボールをつないでいきます。この夏のコパ・アメリカでベストイレブンを獲得したエストゥピニャンの実力も伊達ではないです。
前半終盤、徐々に久保が攻撃面で存在感を出してきました。
マジョルカはフェル・ニーニョの高さを武器としてFKに臨みますが、ビジャレアルの守備陣もしっかりマークを怠りませんでした。
0-0が続く中で久保がサイドから中にボールを運びながら、フリーで走りこんできたダニ・ロドリゲスにパス。ダイレクトでシュートを狙うも、わずかにクロスバーの上に外れました。しっかり視線は前を向き、状況を把握してこの日最大の決定機を創出しましたが……。