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辛口キーンが「すべてを備える」と絶賛する20歳の逸材MF ノリッチの新戦力「スコットランド産イニエスタ」から目を離すな!
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山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2021/07/23 17:01
![辛口キーンが「すべてを備える」と絶賛する20歳の逸材MF ノリッチの新戦力「スコットランド産イニエスタ」から目を離すな!<Number Web> photograph by Getty Images](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/f/6/700/img_f60dfef3df2b2dc7e453df9d45bb4074145355.jpg)
今季、チェルシーからノリッチに武者修行に出るギルモア。20歳の逸材が今季のプレミアの注目選手となる
心臓の強さもトップクラス
そのイングランド戦がスコットランド代表での初先発だったのだから、ギルモアは心臓の強さもトップクラスだ。
チェルシーでも、18歳だった2019年8月末、終盤にデビューを果したシェフィールド・ユナイテッド戦から、ピッチに立つや否やプレーに絡んでFKを奪っていた。相手ボランチのファビーニョを股抜きでかわしてスルーパスを通したのは、まだ先発3試合目でビッグゲームを初経験した翌年3月のリバプール戦だった。
直後のエバートン戦では2試合連続となるマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。ボール奪取後、失いかけたボールを再び奪い返してクロスを放ったシーンでは、サポーターからチャントで讃えられた。
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「スコットランド産イニエスタで身長は163cm」という歌詞に対し、「170cmなんだけど」とBBCのインタビューで苦笑していたギルモアだが、その存在感は大きい。
トゥヘルが今夏の“修業先選定”に直接関わる
それほどの逸材をチェルシーがレンタルに出す理由は、以前のように英国産の若手を移籍金収入に変えるべく買い手を募るためではなく、1軍の主力に変えるべくプレミア経験を積ませるために他ならない。
昨季途中からチームを預かるトーマス・トゥヘルに、前監督のフランク・ランパードが実行に移したユース出身者の戦力化路線を踏襲する意思が感じられる点は歓迎できる。
1年ほど前、手術を要した膝の怪我を負ったギルモアのプレミア経験は2年で11試合。トゥヘル体制下では3試合に留まっている。基本となった中盤中央の2枚は、揃って今年30歳のエンゴロ・カンテとジョルジーニョで、交代1番手は27歳のマテオ・コバチッチ。だが、CLでの決勝対決勝利への布石にもなった5月のシティ戦で先発フル出場のチャンスを与えられたように、現監督もギルモアへの期待値は高い。
トゥヘルは、昨冬に出場機会増を求めてレンタル移籍を考えていた当人を翻意させて、今夏の“修業先選定”に直接関わったと理解されている。