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辛口キーンが「すべてを備える」と絶賛する20歳の逸材MF ノリッチの新戦力「スコットランド産イニエスタ」から目を離すな!
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山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byGetty Images
posted2021/07/23 17:01
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今季、チェルシーからノリッチに武者修行に出るギルモア。20歳の逸材が今季のプレミアの注目選手となる
練習参加初日の試合としては上出来の45分間
初めて「カナリーズ」ことノリッチの黄色と緑色のユニフォームを着てプレーした7月16日の親善試合で、ギルモアはどちらかと言うと攻撃的なルーカス・ルップとのコンビで先発したが、30分までにはギルモアを経由する組み立てが当たり前となっていた。
5部に相当するセミプロリーグに所属する地元チームとの対戦ではあったが、EURO2020後のオフ明けで、移籍先でのチーム練習参加初日の試合としては上出来の45分間だった。自ら攻め上がっての絶妙なスルーパスや、自陣内からのロングパスにより、高い影響力が見込まれる理由を垣間見せてもいた。
とはいえプレミアでの本番では、チームとしての戦力差から守備の時間が増えることはまず間違いない。それも1シーズンの期間限定と考えれば、必要なレッスンと理解できる。体は小さくても弱さはなく、「タックルも好き」と言っているギルモアは、守備の意識と能力も持ち合わせている。
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以前、観戦プログラムのインタビューで「小学生の頃に中高生と一緒にボールを蹴って遊んでいた」と言っていた記憶があるが、フィジカルで勝る相手と競り合う際の体の入れ方も上手い。もちろん、今後も1対1での間合いや奪いにいくかいかないかの判断は磨く必要がある。最終ラインの手前を主戦場とするのであれば、迷ったときに積極的にボール奪取に出る覚悟でチャレンジしてみるのもいいだろう。
「足りないのは得点能力ぐらい」
攻撃面では、得点源が豊富とは言えないノリッチにおいて、機を見て自らゴールを狙う姿も見られるようになれば楽しみだ。元センターハーフで辛口解説のロイ・キーンから「MFとしてすべてを備えている」と絶賛されたギルモアに「足りないのは得点能力ぐらい」とする意見もある。
だが、初めて「チェルシーにギルモアあり」を知らしめたのは、16歳だった2018年4月のFAユースカップ決勝で決めたミドルだ。最終的に2試合合計7-1でアーセナルに勝った決勝の第2レグ、敵地での前半にクリアボールを胸でトラップして放ったハーフボレーは、合計スコアを4-1として優勝を決定づける重要な先制ゴールでもあった。
あれから3年。レンタル先のギャロウ・ロードをホームとする新シーズンは、「ノリッチにギルモアあり」と世界のプレミア・ファンにアピールできれば、チェルシーのサポーターたちも本望だ。
即戦力として戦うことはもちろん、主軸としての貢献と成長が期待されるトップチーム3シーズン目は、来たる8月14日。ギルモアとしては縁起のいいリバプール相手のホームゲームで幕を開ける。
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