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“スタンフォード大卒でヤンキースのドラ1級”エース、MLBの名内野手も… ノーマークなイスラエルも侮れない?〈侍ジャパン対戦国分析〉
posted2021/07/27 20:02
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Nanae Suzuki
東京オリンピック野球競技、イスラエル代表はノンブランド選手の集まりだから、ノーマークだろうが、過去の国際大会の戦績を見れば絶対に侮れないだろう。
2017年の第4回WBCでは予選から参加。不利が予想されていたが、3連勝で予選4組を通過。本戦の第1ラウンドA組では韓国を延長10回2-1で破る大金星。韓国はこのショックで第1ラウンドで敗退。イスラエルは続く台湾にも大勝、オランダも破って3連勝で東京の第2ラウンドへ。ここでもキューバを破る番狂わせを演じ、日本と対戦した。
この試合、日本は8-3で勝ったが、終盤に粘られた。日本戦の前にもオランダにも負けていたので敗退が決まったものの、台風の目のような存在だった。
イスラエルは国内にプロリーグがあるが、主としてアメリカ在住のユダヤ系の選手を選抜している。一度もイスラエルに行ったことがない選手も多いし、アメリカ国籍を持つ選手も多い。こうした選手をアメリカ国内で実施するキャンプに招集して選抜していく。つまり、WBCやオリンピックのためだけにチームを作るのだ。それまでの実績ではなく、実戦で使える選手を選抜するという他の国とは全く異なる方法でチームを作っている。
だから数字的には実績に乏しくても、かなり強いチームができることになる。
本命視されたオランダを打ち破ってきた
今回も、ヨーロッパ選手権の予選から参加して本戦に出場、さらにこれを勝ち抜いて2019年9月のヨーロッパ・アフリカ予選に進出。6カ国が出場する中で本命視されたオランダを破って4勝1敗で早々と五輪出場を決めたのだ。
ユダヤ系の選手には、強打の外野手ジョック・ペダーソンなどの有力選手もいるが、MLBの26人枠に入っている選手は出場できないので、今回も無名の選手が中心だ。
しかしイスラエルに関しては数字や戦績などはあまり関係ないと言えよう。