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東大現役合格、医学と陸上の両立…内山咲良の勉強術「高3夏まで部活がある日は3、4時間」「優先順位を変えながらどうにか…」 

text by

町田華子

町田華子Hanako Machida

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photograph bySakura Uchiyama

posted2021/07/22 11:02

東大現役合格、医学と陸上の両立…内山咲良の勉強術「高3夏まで部活がある日は3、4時間」「優先順位を変えながらどうにか…」<Number Web> photograph by Sakura Uchiyama

東大医学部としての学生生活を送りながら、三段跳にも挑む。内山咲良はまさに文武両道だ

内山 本番での強さは、ピアノをやっていたことと通じるものがあるかなと思います。高2までずっと続けていて、発表会が年に1、2回ありました。発表会はその一瞬で今までの成果を出さないといけなくて、走幅跳や三段跳よりもずっと“ミスしちゃいけない”という緊張感がある中で演奏します。

 だから、そういう場面をくぐり抜けることで慣れてきたのかなと思います。陸上自体も中学からずっとやっているので、その中で徐々に客観視できるようになってきたのかもしれないです。

気が乗らない時は“コストが低くても”できる勉強を

――受験勉強においてもメンタルを客観視することは心掛けていたのですか?

内山 気が乗らないなというときは自分にとって割とコストが低くてもできる勉強をやって、自分の余力がある時にきつい勉強をするようにしていました。前に進み続けるけど、自分にとって進みやすい方を時と場合によって選ぶことは意識していましたね。

――大学入学以降も競技と勉強を両立していますが、毎日どのように過ごしているのですか?

内山 日によって違いますが、一番忙しい日は朝部活に行って、午後バイトに行きます。最近はかけっこをマンツーマンに近い形で小中学生に指導するバイトをやっていて、それが午後2つか3つあると少ししんどいんですけど(笑)、それを終えて家に帰るというスケジュールです。今は実習がないので、合間の移動時間などに映像授業を聞いたり問題を解いたりします。

競技と医学部の両立は大変だけど

――競技と医学部の勉強の両立は大変でしたか?

内山 時間的拘束が割と長い時期は大変でしたね。実験や解剖がたくさんある時期もあれば、授業がいっぱいあって試験が多い時期もあったり、その都度状況がかなり違いました。陸上と医学、どっちも絶対に外してはいけない時期、大事にしないといけない時期がいくつかあって、それに応じて優先順位を都度変えながらどうにかやってきた感じです(笑)。

 でもどっちかしかないよりは、精神的にはすごく楽だったのかなと思っています。“どっちかダメだったら、どっちか頑張ればいい”という心持ちでやってきました。

――両立を投げ出したくなったことはありましたか?

【次ページ】 東大の勉強で一番つらかった学年は……

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