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東大現役合格、医学と陸上の両立…内山咲良の勉強術「高3夏まで部活がある日は3、4時間」「優先順位を変えながらどうにか…」
text by
町田華子Hanako Machida
photograph bySakura Uchiyama
posted2021/07/22 11:02
東大医学部としての学生生活を送りながら、三段跳にも挑む。内山咲良はまさに文武両道だ
内山 正直あったと思います。記録が伸びなかった時期も結構長くて、大学3年まで走幅跳のベストが出なかったんですね。特に2年生の時が一番つらかったです。東大では普通2年時は授業が少なくなるんですけど、フランス語のインテンシブの授業を入れたりしたのでそこそこ忙しくて、一方で記録も伸びなくて……。
インカレを目指すのではなくて、鉄門(※鉄門陸上部、東大医学部陸上部のこと)だけにして陸上以外のことをやる時間を作ろうかな、と考えていた時期もありました。
――それはご自身にとって一番の挫折経験だったのでしょうか?
内山 そうですね。疲労骨折して記録も出ず、チームにも迷惑をかけてしまい、一方で勉強も時間を掛けられていなかった。その時に自分の中で「大学生活でいったい自分は何がしたかったんだろう」と考え直して、陸上に未練があるし、そこにもっとちゃんと向き合おうという結論が出たところから変わってきたなと思います。
できる人と自分との差を認識してそれを埋めよう
――「超人」「完璧」などと言われることがこれまで多かったと思いますが、そう評価されることついてどう感じていますか?
内山 そんなことないよと思います(笑)。コンプレックスの塊みたいな人間です。完璧主義っぽいところがあるので、全然できていない自分を人に見せないようにしてきました。だから完成形を見たら確かにそう思われるかもしれないけど、最初からできることって本当に少ないなと思います。
できない自分からスタートすることが多いからこそ、できる人と自分との差を認識してそれを埋めよう、足りない自分を克服しようと努力してきました。特に陸上に関しては相当不器用な方だったし、征矢先生はそういうところも見てくれていたと思いますね。なので本当にそんなことはないよ、と。
――そう評されることに対して、葛藤したことはありましたか?