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「私自身は月経の際、体重や…」東大医学生の三段跳・内山咲良が語る“産婦人科医志望”の理由と競技引退への迷い
posted2021/07/22 11:03
text by
町田華子Hanako Machida
photograph by
MATSUO/AFLO SPORT
――医師を志すようになったのはいつ、どんな理由でしたか?
内山 小学校の時に親に医者をすすめられたのが最初だったと思います。それ以外の職業についても「これいいんじゃない?」と結構言いがちな親で(笑)。その時から「医者、いいかな」と漠然と思っていました。
中学校に入ってからあまり医者以外の選択肢を考えなかったのは、人の身体の勉強が好きで面白いなと思ったからです。自分の身体に起きていることを説明できるのが面白いな、と。中高時代には、医者という仕事は人の身体だけではなくて心にも寄り添うことができるところがすごくいい仕事だなとも思って、結局志望を変えることなく大学で医学部に入りました。
――中高で心にも寄り添える仕事である点に意義を見出したのは、陸上競技に取り組んでいたことと関係する部分があるのでしょうか?
内山 それもあると思います。特に高校の陸上部では途中でやめてしまう人もいたりして、心がつらいのもしんどいものがあるなと気づいたので、総合的に人に寄り添えるのは魅力的だなと思いました。でも今は精神科はやらない、出来ないなと思っています。相手に感情移入しすぎてしまうところがあるのですが、医者としてかかわる以上自分が患者さんみたいになったらダメなんですよね。
周りに月経が来ないという長距離選手もいます
――今はどんな医者を目指していますか?
内山 今は産婦人科に関心を持っています。スポーツ医学に携わろうと思った時に産婦人科医という形で携われる可能性があるということや、オペができてかつ診断にも関われるということから、魅力を感じています。
――スポーツ医学に対して産婦人科からどんな風にかかわりたいですか?