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【新馬戦】アーモンドアイのような“特別な走り”? 2歳馬・ダノンスコーピオンに期待がかかる“偉業”とは
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph bySankei Shinbun
posted2021/07/09 17:00
川田将雅を背に、デビュー戦を見事勝利したダノンスコーピオン
安田師は騎手・調教師両方での“偉業”がかかる
新馬戦を勝ったばかりでダービーの話をするのは早すぎることを承知のうえであえて言うと、もしこの馬が来春のダービーを勝てば、安田調教師は、騎手としても、調教師としてもダービーを制した数少ないホースマンのひとりとなる。騎手としては、皇帝シンボリルドルフ産駒のトウカイテイオーで1991年の二冠(皐月賞・ダービー)を勝っている。
かつて、調教師が騎手としてもレースに参戦できた時代、1933年の第2回日本ダービーを調教師兼騎手として大久保房松がカブトヤマで制したのをはじめ、37年には中島時一がヒサトモ(トウカイテイオーの6代母)で、38年には中村広がスゲヌマで制すなどしている。その後、大久保房松は、純粋な調教師として55年にオートキツで、59年にはコマツヒカリでダービーを勝っている。
しかし、大久保を最後に、騎手としても調教師としてもダービーを制したホースマンは現れていない。
達成できるかどうか以前に、こうして挑むことのできる大記録があるというだけ楽しみがふくらむ。
6月5日の東京新馬戦を勝ったコマンドライン(牡、父ディープインパクト、美浦・国枝栄厩舎)も強いし、先週、7月4日に函館芝1800mの新馬戦を2馬身差で勝ったアルナシーム(牡、父モーリス、栗東・橋口慎介厩舎)も先々が楽しみな一頭だ。
これからデビューする馬のほうが遥かに多いので、来年の話をするのはこのくらいにして、「まだ見ぬクラシックホース」との出会いも楽しみにしたい。