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“6月新馬戦デビュー”にダービー馬なし? 勝ち上がり19頭を分析してわかったノーザングループの技術力と本気度

posted2021/07/10 17:00

 
“6月新馬戦デビュー”にダービー馬なし? 勝ち上がり19頭を分析してわかったノーザングループの技術力と本気度<Number Web> photograph by Photostud

6月12日の東京で新馬勝ちの白毛馬ハイアムズビーチ。母は中央・地方合わせて5勝を挙げた白毛馬ユキチャン

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片山良三

片山良三Ryozo Katayama

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 ダービーの翌週から2歳の新馬戦が始まるようになったのは12年からで、今年が10年目。新たなステージの始まりを「ダービーからダービーへ」をスローガンに掲げることで印象的に演出して定着させたJRAの戦略だ。

 とはいえ、以後の9年間のダービー馬を振り返っても、6月デビューからその栄光に繋げた例はまだない。最も多いのは10月で、'13年キズナが京都、'15年ドゥラメンテが東京、'16年マカヒキが京都、'17年レイデオロが東京、今年のシャフリヤールが京都と、5頭を輩出している。

 最も早かったのが'18年ワグネリアンで、7月の中京だった。興味深いのは10月デビューが最多にして最遅であるということ。つまり11月以後のデビューではダービーに間に合っていないのだ。これこそが新馬戦の始動を早めた施策によるものとも言える。

 福永祐一騎手は、「最近の2歳馬は、いきなりハイレベルの走りをする馬が多くなりました」と、ジョッキーの肌感覚から育成の進歩を語る。栗東の坂路で52秒台が出たら新馬勝ち当確と言われたのは少し前までの常識。いまは51秒台に届く2歳馬が何頭もいるのが現実で、当確ラインが明らかに上がっている。

6月の新馬戦は最も重要なコマーシャル活動

 6月5日から6月20日まで、未勝利戦も含めて19頭の2歳馬が勝ち上がった。川田将雅騎手が4勝、C・ルメール、M・デムーロ、福永が2勝ずつと、騎手では関西上位の傾向が出たが、厩舎の東西比では美浦が10勝、栗東が9勝と、関東馬の巻き返しが見られる。種牡馬を見てみると、産駒初年度のシルバーステート、ドレフォンが2頭ずつの勝ち上がりでダッシュをきかせ、ロードカナロアも2勝と貫禄を示している。

 顕著な偏りが出たのはやはり育成牧場。ノーザンファームが6頭、追分ファームが4頭。いわゆるノーザングループは、7月にセレクトセールを控えているだけに、6月の新馬戦の結果は最も重要なコマーシャル活動。技術力も違えば、本気度も違うということだろう。

 9年間で3頭のダービー馬を輩出したノースヒルズも、グランアプロウソ(牡、父ガンランナー、栗東・松永幹夫厩舎)で一番星をあげた。武豊騎手が札幌までわざわざ乗りに行った理由が、その勝ちっぷりでよくわかった。

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