フランス・フットボール通信BACK NUMBER

25年以内にイングランドで23のスタジアムが水没!? 気候変動に対し欧州サッカー界が講じるエコ活動の実態 

text by

ティエリー・マルシャン

ティエリー・マルシャンThierry Marchand

PROFILE

photograph byL’Équipe

posted2021/06/27 17:00

25年以内にイングランドで23のスタジアムが水没!? 気候変動に対し欧州サッカー界が講じるエコ活動の実態<Number Web> photograph by L’Équipe

リヨンのグルーパマ・スタジアムの駐車場に設置された太陽光発電システム。同様の取り組みが、様々なスタジアムで広がっている

 またスペインのベティスは、環境中立に関する国連チャリティーにサインした。ただ、緑化という点では、誰もスタジアムのほぼすべてを木材で建設したイングランドフットボールリーグ2のフォレスト・グリーンには及ばない。このスタジアムでは再生エネルギーのみが利用され、ファンに提供される食べ物の食材も植物性に限られている。

 サッカーの世界を緑色に染めるための努力が、世界のどこでも始まっている。フランスのクラブもその例に漏れない。

 アントワーヌ・ミッシュは、2019年に創設された非営利団体である《フットボール・エコロジー・フランス(FEF)》の会長を務めている。FEFはフランス全土に26の拠点を持ち、300人を超えるアクティブ会員、とりわけ1部リーグのクラブがある街で活動をおこなっている。

 ニコラ・ユロ基金(環境活動家でジャーナリストでもあるニコラ・ユロにより設立された環境保護のための財団)のメンバーでもあるミッシュは、サッカーの世界をエコロジーと環境保全に同化させるという困難な問題に取り組んでいる。国土全体でおよそ4万面の天然芝ピッチを有する国における大きなチャレンジであり、地方公共団体やクラブ、選手、スポンサー、サポーターらすべての関係者を巻き込んだ企てでもある。100以上の団体がすでに活動に加わり、運動を推進している。

エコロジーのモデルとなるスタジアム

 ストラスブールでは新装されたスタッド・ドゥ・ラ・メイノーがエコロジーのひとつのモデルになろうとしている。サンテティエンヌの電光表示はすべて太陽エネルギーで賄われているし、メスとレンヌはインフラストラクチャーの自然で賄える部分をさらに増やそうとしている。

 ボルドーはフランス環境・エネルギー管理庁(ADEME)と協力して二酸化炭素削減の問題に取り組んでいる。さらにリヨンは常にパイオニアの役割を演じ、パリ・サンジェルマンですらも社会と環境の問題に取り組んでいることをアピールしようとしている。内部プロジェクトである《廃棄物ゼロ》と《責任ある購入》の問題への積極的なイニシアチブの他にも、ポワッシーの新しいトレーニング場に付属するエコ農場で作られたバイオ梨のジュースの生産にも取り組んでいる。

【次ページ】 都市と地方の格差

BACK 1 2 3 4 NEXT

海外サッカーの前後の記事

ページトップ