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【新馬戦】ルメール「来年のダービー、予約します」早くも“クラシック本命候補”が? 注目の2歳馬とその実力とは
posted2021/06/11 11:02
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Sankei Shimbun
2016年アエロリット、17年ケイアイノーテック、ステルヴィオ、ダノンプレミアム、18年グランアレグリア、サートゥルナーリア、アドマイヤマーズ、19年サリオス、ラウダシオン、20年ユーバーレーベン、ダノンザキッド。
これらは、過去5年で、2歳時の6月に行われた新馬戦を勝ち、その後GIを制した馬たちである。
ここに記した11頭のうち、ケイアイノーテックとステルヴィオ、グランアレグリア、そしてサリオスは、6月1週目の新馬戦を勝っている。
2012年以降、JRAの2歳新馬戦が日本ダービーの翌週、すなわち6月の1週目(14年は2週目)から行われるようになった。それにより、「ダービーからダービーへ」という馬づくりのサイクルが明確になったと同時に、期待馬が早い時期にデビューするようになった。
2歳時の4月に育成牧場を出てトレセンの厩舎に入厩し、ゲート試験に合格したらいったん放牧。そして、5月なかごろまでに帰厩して6月の新馬戦に出走し、勝ったらまた放牧に出て秋に備える――といった形がしばしば見られるようになったのである。
来年のクラシックでも活躍が期待できそうな大物
今年も、ダービーの翌週、6月5日と6日の新馬戦が終わった。ひょっとしたら、私たちは来年のクラシックホースをすでに目撃しているかもしれない。
ということで、先週の新馬戦を振り返りながら、期待の2歳馬について見ていきたい。
結論から言うと、来年のクラシックでも活躍が期待できそうな大物が、早速現れた。
今年JRAで最初に行われた新馬戦は、6月5日、土曜日の中京第5レース、芝1600mの2歳新馬戦だった。
アオり気味にスタートしたクラウンドマジック(牡、父エピファネイア、栗東・加用正厩舎)は道中後方に待機し、直線で外に持ち出されると豪快に伸び、先に抜け出した1番人気のラクスバラディーをきっちり差し切った。2代母は重賞2勝、オークス2着のゴールデンジャック。伯父に京阪杯など重賞3勝のサイドワインダー、いとこに川崎記念を勝ったミツバがいるなど、母系にも活力がある。