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【新馬戦】ルメール「来年のダービー、予約します」早くも“クラシック本命候補”が? 注目の2歳馬とその実力とは 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph bySankei Shimbun

posted2021/06/11 11:02

【新馬戦】ルメール「来年のダービー、予約します」早くも“クラシック本命候補”が? 注目の2歳馬とその実力とは<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

6月6日、芝1600mの新馬戦を勝った福永祐一騎乗のクレイドル。半兄にあたるステラヴェローチェは世代屈指の実力馬に成長した

「来年のダービー、予約します」とルメールに言わしめた

 さらに大きなスケールを感じさせたのは、15分後にスタートした東京第5レース、芝1600mの2歳新馬戦を勝ったコマンドライン(牡、父ディープインパクト、美浦・国枝栄厩舎)だ。サンデーレーシングが所有し、ノーザンファームで生産された良血馬である。

 単勝1.1倍の圧倒的な支持を得たコマンドラインは、クリストフ・ルメールを背に、ポンと速いスタートを切った。そのまま好位につけ、楽な手応えで直線へ。ラスト400m付近で外に出てスパートしたが、内で逃げ込みをはかるコンクパールとは4、5馬身の差がある。なかなかエンジンがかからず、一時は届かないかに見えたが、ラスト200m付近から猛然と加速。ラスト100mを切ったあたりでコンクパールを並ぶ間もなくかわし、3馬身突き放した。

「来年のダービー、予約します」とルメールがコメントしたほどの勝ちっぷり。距離が延びれば、さらにレベルの高い走りを見せてくれるに違いない。国枝師も「2000mぐらいあったほうがいい」と話している。

 前週のダービーで、国枝師が管理し、ルメールが騎乗した牝馬のサトノレイナスは5着に敗れた。実は、そのサトノレイナスも、昨年、6月1週目の東京芝1600mの新馬戦を勝っているのだ。

 いまだダービーを勝っていない伯楽が、2年つづけて同じスタートラインから送り出す駿馬で、悲願達成を狙う。

クレイドルの半兄はステラヴェローチェ

 翌日、6月6日、日曜日に中京芝1400mで行われた新馬戦を逃げ切ったのはブレスレスリー(牝、父アメリカンペイトリオット、栗東・藤岡健一厩舎)だった。新種牡馬の父に産駒初勝利をプレゼントした。

 その日に行われた東京第5レース、芝1600mの新馬戦を勝ったクレイドル(牝、父クロフネ、美浦・黒岩陽一厩舎)も先々が楽しみな一頭。キャロットファームが所有し、ノーザンファームで生産された。半兄のステラヴェローチェは、GIIIのサウジアラビアロイヤルカップを勝って朝日杯フューチュリティステークスで2着となり、皐月賞とダービーで3着と好走した世代屈指の実力馬だ。

 すっと好位につける脚があるし、道中の操縦性もいい。綺麗な芦毛と直線で見せた大きなストライドは父譲りだ。

【次ページ】 6月の新馬戦勝ち馬からGIホースが続々誕生

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