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安田記念でダノンキングリーを“復活”させた萩原師はダービー馬もよみがえらせていた 「皐月賞は仕事として失敗してしまった」
posted2021/06/11 06:00
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph by
Satoshi Hiramatsu
6月6日、東京競馬場で安田記念(GI)が行われた。5週連続での府中のビッグレースの“トリ”を飾るこの大一番を制したのはダノンキングリー。美浦・萩原清調教師が管理する5歳の牡馬だった。
このレースで単勝1.5倍の圧倒的1番人気に推されたのはグランアレグリア。前年のこのレースで女王アーモンドアイに完勝したディフェンディングチャンピオンだ。
これに対しダノンキングリーは単勝47.6倍。14頭立ての8番人気というダークホースだった。
それもそのはず、同馬は昨年の天皇賞(秋)(GI)以来、約8カ月ぶりの競馬。しかもその前走は12頭立てのシンガリ12着。勝ったアーモンドアイからは3秒近く放されて青息吐息でゴールに辿り着くのがやっとだったのだ。
そんなダノンキングリーが巻き返す様をみて、同じ萩原厩舎が生んだダービー馬を思い出したファンも多かったのではないだろうか?
皐月賞で圧倒的人気だったロジユニヴァース
父ネオユニヴァース、母アコースティクスの牡馬ロジユニヴァースがデビューしたのは2008年。阪神競馬場の芝1800メートルで武豊騎手を背にデビュー勝ちを飾ると、2戦目からは主戦となる横山典弘騎手が手綱を取った。そして、2歳時は札幌2歳S(GIII)、ラジオNIKKEI杯2歳S(当時、GIII)と連勝。3歳初戦の弥生賞(GII)も優勝し、4戦4勝で、クラシック本番、皐月賞(GI)に出走した。
ここまで負け知らずのロジユニヴァースを、ファンは当然のように最も支持して迎えた。単勝は1.7倍。2番人気のリーチザクラウンが5.3倍で3番人気アンライバルドが6.1倍だからいかに抜けて人気になっていたかが分かる。