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屈辱の“センバツ初戦敗退”から大阪桐蔭は何が変わった? エース2人が登板なしでも近畿大会で優勝「“本物の強さ”を意識してやってきました」 

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米虫紀子

米虫紀子Noriko Yonemushi

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posted2021/06/08 11:01

屈辱の“センバツ初戦敗退”から大阪桐蔭は何が変わった? エース2人が登板なしでも近畿大会で優勝「“本物の強さ”を意識してやってきました」<Number Web> photograph by Noriko Yonemushi

決勝で智弁学園に4-2で勝利し、春季近畿大会を制した大阪桐蔭

 竹中はコントロールがよく、安定感があり計算できる投手。ピンチを背負っても表情を変えることなく、硬軟使い分けて乗り切る。「実戦力があるというか、しっかりとバッターを見て投げられる子」と西谷監督。大阪府大会での投球が評価され、近畿大会では背番号1を背負った。準決勝・智弁和歌山戦では2失点完投。決勝では7回からリリーフし、無失点で踏ん張り逆転勝利につなげた。

 川原は、188センチの長身で、ダイナミックなフォームから威力のある球を投げ込み、制球力もある。センバツではベンチ入りを逃したが、監督が「経験を積ませたい」と起用した春季大会で結果を残し、大阪府大会、近畿大会ともに決勝で先発を任された。近大付との大阪府大会決勝では、7回無失点。智弁学園との近畿大会決勝でも、強力打線を相手に6回2失点と試合を作った。

 松浦も近畿大会ではベンチ入りし、最終週の5月29、30日に合わせてピッチングも再開していたが、登板はなかった。

 それでも、背番号10の松浦と11の関戸は、攻守交代の際にベンチ前で、投手や次の回の先頭打者に水を渡したり、しゃがみこんで捕手の防具を装着する手伝いをしたりと、献身的にチームメイトをサポートしていた。

松浦、関戸にとって「いい刺激に」

 決勝の後、西谷監督はこう語った。

「松浦は、ずっと走ってばかりでまだ長いイニングを投げる準備ができていないので、短いイニングで、川原、竹中の後ろで行こうと思っていたんですが、打順とかいろんなことを考えた結果、回らなかった。関戸もだんだん状態は上がっています。竹中や川原の頑張りは、関戸と松浦にとってもいい刺激になっていると思います。夏は、その2人にもやってもらわないと困りますんで。いい競争ができるんじゃないかなと思います」

【次ページ】 魂のノックに「鳥肌が立った」

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