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二軍から復帰、巨人・戸郷翔征がまた勝てるようになったワケ…あの沢村賞投手もハマった“ツーシームの罠”とは? 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph bySankei Shimbun

posted2021/05/24 17:04

二軍から復帰、巨人・戸郷翔征がまた勝てるようになったワケ…あの沢村賞投手もハマった“ツーシームの罠”とは?<Number Web> photograph by Sankei Shimbun

5月18日、二軍から復帰2戦目で今季3勝目をあげた巨人・戸郷

 そうして約2週間の再調整期間を経て一軍復帰した5月11日のDeNA戦では6回を投げて5安打2失点とまずまずの投球を見せた。そうして復帰2戦目のマウンドがこの広島戦だったのである。

 試合では立ち上がりから150km台のストレートを軸にして、フォークとスライダー、ときおりカーブを織り交ぜる投球で6回97球を投げて赤ヘル打線を2失点に封じた。結果は相手エースの大瀬良大地投手との投げ合いを制して、約1カ月ぶりの3勝目を手にすることができた。

戸郷のフォーム修正と復活への“大きなカギ”とは

「疲労をとることを優先しつつ、技術向上を目指して頑張ってきました」

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 試合後の会見で2週間の抹消期間の取り組み内容を聞かれた戸郷はこう語っている。

「フォームを少しいじったりして、そういう時間に充てられたので良かったなと思います。ボールの回転を戻すために、ちょっと腕を上げたりした。めちゃくちゃ変化を加えたわけではないです」

 そして最後に語ったのが、冒頭のツーシームの“封印”だったのである。

 実はこの新球封印こそが、戸郷のフォーム修正と復活への大きなカギだった。

 ツーシームを含めたシュート系のボールの難しさ。そのことを元巨人監督でV9時代のエースだった評論家の堀内恒夫さんが語っているのを聞いたことがある。

「ツーシームはうまく使えるようになると、簡単にゴロを打たせて打ち取れるボールなんだけど、より鋭く曲げようとすると弊害が出てくることがある。だってシュート系のボールというのは曲げようと思えば肘を下げればいいからね。肘を下げればどんどん曲がる。でもそうやって知らず知らずに肘が下がっていくと、肝心の真っ直ぐがシュート回転したり、今度はスライダーの切れが悪くなったりする。そこに気をつけないと、いままでのピッチングが全て壊れてしまう危険性もあるってことだな」

“ツーシームの罠”にハマった投手がいる

 実はこのツーシームの罠にハマって、しばらくピッチングの方向性を失ってしまった投手がいる。

【次ページ】 最多勝、沢村賞受賞の翌々年に成績が急降下

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