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大谷翔平“最速165km”より注目したいストレートの超進化 1つは回転数、もう1つはヒジ手術後の…【データ解析】
text by
間淳Jun Aida
photograph byAP/AFLO
posted2021/05/19 17:05
ベンチにいても絵になる大谷翔平。でも一番見たいのは投げて打って走って大活躍する姿だ
大谷は2018年10月に右肘の手術を受けている。投手の完全復活を期す今シーズンの投球フォームについて「これまでボールをリリースするとき、手のひらの向きはキャッチャー方向だったが、今はやや一塁方向になっている。(プロレスや空手の)チョップするような動き。肘を傷めないようにする投球フォームが、ストレートのシュート回転を少なくしている可能性があるとみている」と分析した。
被打率や投球結果は、ストレートの質が上がっていることを証明している。2018年に.377だったストレートの被打率が、今シーズンは.229に改善。投球結果もファウルの比率が増え、フライの比率が減っている。
「ストライク率が改善されたら手を付けられない」
森本氏は唯一ともいえる課題にストライク率を挙げる。
「ストライクカウントが増えるほど、バッターがスイングするゾーンが広がっているのがデータで顕著に出ている。スプリットのように落ちる変化球を武器にしている投手は、いかにストレートや他のボールでカウントを整えて投手有利にできるかが重要になる。大谷選手はストライク率が改善されたら、手が付けられない投手になる」
球速はメジャー1年目と変わらなくても、回転が大きく変わっている大谷のストレート。「メジャーで最も打たれない」とも言われる高速スプリットを支える剛速球は、進化を続けている。
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