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【3戦連発+投手でも凄い】大谷翔平のスプリットは「最も打たれない魔球」 データで浮かぶ“田中将大らと違う2つの特徴”
posted2021/05/19 17:04
text by
間淳Jun Aida
photograph by
Getty Images
アメリカメディアは「球界で最も打たれない」、「テレビゲームのような変化をする」と表現した。対戦したレンジャーズのウッドワード監督は「突然消える」と脱帽した。
空振りを喫するとバッターボックスに立ち尽くしたり、地面や捕球したキャッチャーを見つめたりする打者もいる。あきらめなのか、現実を受け入れられないのか、笑みを浮かべる打者もいる。
エンゼルス・大谷翔平が操るスプリットは今シーズン、メジャーに強烈なインパクトを残している。前回登板の11日(日本時間12日)、リーグトップタイのチーム打率.262を誇るアストロズ戦でも圧倒的だった。
被打率.028、22奪三振という驚異的数字
初回1死一塁。3番・ブラントリーをストレート2球で追い込むと、143キロのスプリットで空振り三振に斬った。これが奪三振ショーの始まりだった。
圧巻は4回。無死一塁で、打席には4番・アルバレス。スプリットで空振り三振に仕留めると、日本のDeNAでもプレーした5番・グリエルもスプリットで空振り三振。さらに、6番・コレアはスプリットで見逃し三振と、3者連続三振でランナーを進めることさえ許さなかった。
6回には再び、グリエルをスプリットで空振り三振。この1球は147キロを計測した。大谷に勝敗は付かなかったが、7回4安打1失点で10奪三振。この試合、スプリットが結果球になった打席は9打数1安打、6奪三振。唯一「H」のランプが灯ったのは、三塁線へのボテボテの内野安打だった。
これで今シーズンの通算は36打数1安打、被打率.028で22奪三振と驚異的な数字となっている。
魔球スプリットをデータ解析してみると
魔球ともいえる大谷のスプリット。スポーツ科学に基づき野球のデータを解析する「ネクストベース」のトップアナリスト・森本崚太氏は「空振りを奪いやすい球質」と語る。森本氏は東京学芸大学大学院で主に野球の動作分析を研究。卒業後に勤務しているネクストベースでは、プロアマ合わせて年間200人の投手を科学的にサポートしている。