大谷翔平“最速165km”より注目したいストレートの超進化　1つは回転数、もう1つはヒジ手術後の…【データ解析】

　花巻東時代に高校生で初めて160キロを計測した。二刀流として入団した日本ハムでは、2016年に日本球界最速となる165キロをマークした。しかも、1イニングで3度。日本シリーズ進出を決めたクライマックスシリーズ・ソフトバンク戦で、守護神を務めた9回のマウンドだった。

2016年、日本ハムで圧倒的な存在感を発揮した大谷©Hideki Sugiyama

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　そして、大谷翔平は海を渡っても100マイル（約161キロ）超のストレートを連発。剛速球は代名詞となっている。大谷自身もストレートへのこだわりが強く、本格的な二刀流復活となった今シーズン開幕前には「自分の持ち味はストレートなので、一番の基準になってくる。そこがしっかり投げられれば、おのずと他の球種も投げられると思う」と語っている。

　体が大きく剛腕ぞろいのメジャーといえども、160キロを出す投手は珍しい。

　今シーズン、大谷が投じたストレートの平均球速は155.4キロ。先発投手として毎試合、80球前後を投げている中、コンスタントに150キロ台中盤を計測するのは驚異的だ。

表1：大谷のストレート 2018年と今季の比較（1）※データ提供「ネクストベース」

　大谷は1年目の2018年も、ストレートの平均球速は155.6キロとメジャートップクラスのスピードだった。2018年と今シーズンで進化しているのは「回転数」と「ボールの変化量」だ。2018年にメジャー平均を大幅に下回っていた1分間の平均回転数は今シーズン、2385回転と200回転以上増え、打者が伸びを感じる「ホップ成分」も高くなっている。

2018年の被本塁打6本のうち半分がストレート

2018年のピッチャー大谷©Getty Images

　2018年、大谷が許した6本の本塁打のうち3本はストレートだった。全てが150キロを超え、4月24日（日本時間25日）のアストロズ戦で被弾したのは155キロを計測している。その1球の回転数は1分間で2076回と極端に少ない。

　回転数とボールの伸びは同義ではなく、回転数が少ないと伸びがないと一概には言えない。

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