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10mの高さだと入水時の衝撃1トン、大ケガや恐怖感はないの…? 飛び込み玉井陸斗14歳が世界で戦えるワケを元五輪選手に聞いた
posted2021/05/12 17:02
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Shidu Murai
5月初旬、飛び込みのW杯が東京で開催された。競技以外の部分で話題になったのは少々お気の毒だが……語弊を承知の上で書くと、これまでは典型的な"マイナー競技"で、「飛び込み」という競技自体の認知が日本国内であまりされていなかったように感じる。
しかし14歳で東京五輪の出場権を獲得した玉井陸斗の存在もあって、世間での注目度は上がっているようだ。その割にはスポーツ観戦を愛好する1人の人間として、競技性に対する自分の理解度があまりに低い気がする。
あの2秒間、空中でグルグルしているけど、何してるの?
ドボンと水に入るけど、絶対にすさまじい衝撃だよね?
そもそもあんな高さから飛び込んで怖くないの? どんなトレーニングしてるの?
知らないこと、素朴な疑問だらけである。せっかくだから競技者に話を聞いてみたいと思っていたところ……「ぜひ競技のこと、色々聞いてください!」と名乗り出てくれたのは、中川真依さんだ。
学生時代から世界の舞台で戦い、2006年のアジア大会で銀メダルを獲得。北京とロンドンと2度の五輪出場を果たすなど、長年にわたってこの競技の女子選手としての第一人者として戦ってきた。そんな中川さんだからこそ知っている飛び込みの苦労話や、玉井選手のすごさについて分かりやすく教えてもらった。
男子は6本、女子は5本違う技を……
――中川さん、よろしくお願いします。冒頭からぶっちゃけますが、僕、本当に飛び込みについてはまったくの初心者で……。
「よろしくお願いします! いえいえ、飛び込みの楽しさを分かってもらうために、分かりやすく説明していくつもりですよ」
――そもそもなんですが、飛び込みの競技の進め方について教えてもらえますか?
「まず男子は6本、女子は5本、全く違う技を用意する必要があるんです」
――え、そんなに技を用意しているんですか。