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NHKマイルC優勝、シュネルマイスターの背でルメールが見ていた“ソングラインの僅かな動き” とは【種牡馬としての成功が約束された?】 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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posted2021/05/10 11:40

NHKマイルC優勝、シュネルマイスターの背でルメールが見ていた“ソングラインの僅かな動き” とは【種牡馬としての成功が約束された?】<Number Web> photograph by Kyodo News

NHKマイルカップをハナ差で制したルメール騎乗のシュネルマイスター

種牡馬としての成功が約束された感も

 弥生賞で2着となり、皐月賞の出走権を獲得していたのに、距離適性を優先してNHKマイルカップを選んだ陣営のファインプレーも見逃せない。

 父キングマンは英愛仏でマイルGIを4勝した名マイラーで、母セリエンホルデはドイツオークス馬という世界的良血だ。

 気の早い話をすると、サンデーサイレンスの血が入っていないシュネルマイスターは、日本の生産界に数多くいるサンデー系の繁殖牝馬とのアウトブリードが可能なので、すでに種牡馬としての成功が約束された感がある。

桜花賞15着から大きく巻き返したソングライン

 2着のソングラインは、桜花賞15着から大きく巻き返して力を見せた。桜花賞でも序盤の不利がなければ、勝ち負けできていたのかもしれない。この馬が好走したことにより、3歳牝馬世代のレベルの高さが証明され、ダービーに挑戦するサトノレイナス(桜花賞2着)の走りを見る楽しみがさらに膨らんだ。

 3着のグレナディアガーズは、ハイペースを追いかけ、直線で早めに動いたぶん、伸び切れなかった。勝ちに行く競馬をした結果のことだからやむを得ないだろう。

 本稿のプレビューで本命にしたランドオブリバティは、逸走しそうな気配も見せず、最後まで走り切った。が、序盤、中盤と掛かり気味になり、エネルギーを小出しにすることになったのが惜しまれる。もう少し長い距離のところで行き切るか、このくらいの距離で序盤から促さずに抑えて、溜める競馬をすれば弾けるかもしれない。いずれにしても、今後も注目したい。

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