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「ハハハ。一緒ですね」日本の名キッカー・五郎丸歩と中村俊輔がお手本にしていた“意外な競技”とは? 

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二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTadashi shirasawa

posted2021/04/27 11:01

「ハハハ。一緒ですね」日本の名キッカー・五郎丸歩と中村俊輔がお手本にしていた“意外な競技”とは?<Number Web> photograph by Tadashi shirasawa

日本が誇る2人のプレースキッカーのセッションが実現した

五郎丸 僕もフォームという点でボウリングからヒントをもらっていまして……。プロボウラーの方って、俊輔さんのようにカーブを掛けるじゃないですか。でも僕は素人なんで、いかに真っ直ぐに手を出して、リリースできるかを意識します。カーリングの投法も、いかに真っ直ぐに出ていってストーンを放せるかどうかが重要ですよね。これらはラグビーのキックに共通していて、軸足の位置が前に行ったり、後ろに行ったりするとボールの軌道がずれてしまう。いかに真っ直ぐ飛ばそうかと考えると、軸足ごと前に出してしまえば「点」じゃなくて「面」で捉えることができるという感覚を得たんです。

中村 そういう感覚を見つけるのは、僕も好きです。でも僕もボウリングはまったくの素人なんで、カーブを掛けないで真っ直ぐ投げますよ。

五郎丸 ハハハ。一緒ですね。

ラグビーでもサッカーでも「日本と欧州で蹴り方が違う」

中村 軸足の話で言うなら、日本と欧州では土の硬さの違いもあるから、蹴り方も変わってくる。日本は硬くて、欧州は粘土質。僕は海外から7年半ぶりにJリーグに戻ったとき、慣れるまでに時間が掛かったんです。欧州だと土が柔らかいから軸足を寝かせやすい。でも日本は硬いんで、寝かせられない。軸足を寝かせずにガンと置くという打ち方に変えたんです。

五郎丸 僕は欧州に行くと戸惑いますね。日本だと踏ん張りが利くけど、欧州だと軸足がズルッと滑るんでそうはいかない。いかに踏ん張らずにボールに力を与えることができるかとなると、やっぱり軸足ごと前に持っていって力を与えてあげないと正確なキックができなかったりするんです。

中村 W杯の開催地はイングランドでしたけど、ピッチはどうだったんですか?

五郎丸 幸いにも天候が良くて、ピッチの状態も良かったのでそこまで気にする必要もありませんでした。でもW杯以前の欧州遠征では、ずっと注意していましたね。

【続きを読む】五郎丸歩が中村俊輔に語っていた“ルーティンポーズの意味”「メンタルと『戦う』という感じではないんです」

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