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「ハハハ。一緒ですね」日本の名キッカー・五郎丸歩と中村俊輔がお手本にしていた“意外な競技”とは?
posted2021/04/27 11:01
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Tadashi shirasawa
日本が誇る2人のプレースキッカーのセッションが実現した。大舞台で数々の美しいゴールを決めてきた俊英だからこそ通じ合う、競技の枠を超えた一流の心技体とは――。
【初出:Sports Graphic Number 894号(2016年1月21日発売)「世界基準のキック論。」/肩書などはすべて当時】
五郎丸 きょうは久しぶりにサッカーボールを蹴りました。
中村 小学生の頃、サッカーもやっていたんですよね?
五郎丸 小4から小6ぐらいまでやっていて、ちょうどJリーグが開幕したころでした。俊輔さんのことはJリーグや日本代表の試合で見ていたので、一緒にサッカーボールを蹴ることができただけで嬉しかったです。
中村 僕は生まれて初めてラグビーボールを蹴ってみましたけど、やっぱり難しいですね。後ろで見てくれていた五郎丸さんにきっと蹴るフォームが違うよって思われているんだろうなって。
五郎丸 いえいえ、そんなことはないですよ。カーブを掛けるサッカーの蹴り方に対してラグビーはゴールに向かっていかにまっすぐに飛ばしていくか、なんです。それでも俊輔さんは決めていたんで、やっぱり凄いなって思いましたね。
南アフリカに大勝利「日本に対する準備不足も感じた」
中村 ラグビーW杯での日本代表の活躍は、僕も気になってちょっと見ていました。南アフリカと言うと、サッカーで例えるならブラジルやアルゼンチンと同じような立ち位置だと聞きますけど、実際に戦ってみてどうでした?
五郎丸 日本に対する南アフリカの準備不足というのも、正直感じましたね。
中村 たとえ準備不足だったとしてもW杯の本番ですからね。僕らもブラジルと05年のコンフェデレーションズカップで引き分けたことがあります。それが‘06年のドイツW杯で戦ったときはまったく別のチームだと思えましたから。同じメンバーなのに、W杯の本番になると強さが違った。世界トップの国に本番で勝つというのは、本当に難しいし、すごいこと。
五郎丸 ありがとうございます!
「試合の前に、勝負は決まっている」
中村 サッカーは、壁がいてキーパーがいて、ゴールの枠内のあちこちをピンポイントで狙うじゃないですか。ラグビーは相手がなく、ストレートで、できるだけブレないように蹴る。実際に僕もラグビーボールを蹴ってみて、決まった動きをするルーティンをやりたくなる感覚が何となく分かりました。