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中継ぎエースがなぜ先発転向を直訴? 西武・平井克典(29)の覚悟とは…「若手の頑張りを守ってあげなきゃいけない」
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph bySankei Shimbun
posted2021/04/27 06:00
今季から先発に転向した西武・平井克典。25日は今季初黒星を喫したが、ここまで3勝を挙げてチームを牽引している
先発となれば、ブルペンに待機していた昨シーズンまでとは、調整方法も変わってくる。平井は語る。
「最も違うのは翌日の体の張りです。翌日は身体がパンパンなんで、汗をかくことを目的にケアとランニング中心の練習をしています。ブルペンに入るのは登板日の2日前。特に球数は決めずに、納得するまで投げ込みます。今はまだ疲れは感じていないので、しばらくはこのままで行こうと思っているのですが、登板数が増えて肉体的に疲れてきたときに、どうするか……。トレーニングコーチなどと相談してやっていきたいと思っています」
長いイニングスを投げる中では、試合の中で修正する術も必要となってくる。先発4戦目のあとのインタビューの際、平井はこう語っていた。
「最近では前回(4月18日・福岡ソフトバンク戦)の登板が、いちばん調子が悪かったんですけど……。初回に40球近く投げて『やばいかな』と思いつつ、でもしっかり先発としての役割を果たさないといけないと自分に言い聞かせて投げました。西口コーチがアドバイスをくださったり、キャッチャーの(森)友哉と話し合いをして、なんとか立て直し方を考えました」
西口コーチからのアドバイスは、投球モーションの中のリズムの取り方についてだったと振り返る。
「あの日はストレートも変化球もコントロールが悪かったんですけど、リズムをしっかりと戻すことで、ある程度のところにコントロールできるようになりました。そうやって、試合の中でコントロールの修正ができたのは収穫だったと思います」(平井)
キャッチャー森友哉との会話
森との会話も、登板数が増えるごとに多くなっていると語る。
「いろいろな球種がある中で、今日はこの球種がいいので優先的に使っていこうとか、試合中によく声をかけてくれます。4回目の登板のときも、ストレートのコントロールがなかなかうまくいかなかったのですが、友哉が『でもストレートもこういう風に使えば行けるんじゃないですか?』と案を出してくれた。詳しいことは言えないんですけど、『こういう使い方をすれば修正しやすいんじゃないか』とキャッチャーの目線で指摘してくれます」