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大谷翔平は“MLB最強級スラッガー”…データ分析で分かった「打球速度でトラウト&ジャッジ超え」と「一番特徴的な進化」とは
text by
間淳Jun Aida
photograph byGetty Images
posted2021/04/20 17:30
すでに4本塁打を放っている大谷翔平
「元々、器用な打者で低めのボールになる変化球も空振りせずに、当てにいって引っ掛けてゴロになることが多かった。特に左ピッチャーに対して、スライダーなどの低めのボール球を引っ掛けてセカンド、ファーストゴロが多かった。そういうボールはピッチャーが追い込んでから多くなるボール。初球から仕掛けていくことによって、泳がされるボールではなく、高めの直球や得意なボールで勝負できるようになった」
表3が示しているように、大谷の打席内容は、1年間で大きく変化している。全打席に対する本塁打の割合は、昨シーズンの4.0%に対して今シーズンは8.0%と増えている。興味深いのは凡打の内容だ。今シーズンの「外野フライとライナー」は昨シーズンより10%も増え、「ゴロアウト」は昨シーズンの29.1%から22.0%と大幅に減っている。
好調を象徴するホームランは“あの一撃”
森本氏が、打撃好調な今シーズンの大谷を象徴する打席に挙げたのが、4月4日(日本時間5日)のホワイトソックス戦で放った今季2号。初球の97マイル(約156キロ)の直球を右中間スタンドに運んだ。見逃せばボールに見える外角高めを迷うことなく振りぬいた。MLBのデータ解析システムによると、この打球の速度は185.4キロ、飛距離は137メートルを記録している。
大谷は、このままの打撃を維持できるのか。森本氏は、三振を恐れないことをポイントとした。
「速いカウントからの仕掛けを継続する。それから、三振を嫌がらないこと。大谷選手はこれまでホームランが多い割に、ゴロが多かった。空振りや三振が増えてもいいので、ゴロを減らすアプローチになると好成績を保つことができると思っている」
また神事氏は、昨シーズンまで相性が良くない左投手への対応を挙げる。