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大谷翔平は“MLB最強級スラッガー”…データ分析で分かった「打球速度でトラウト&ジャッジ超え」と「一番特徴的な進化」とは 

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間淳

間淳Jun Aida

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posted2021/04/20 17:30

大谷翔平は“MLB最強級スラッガー”…データ分析で分かった「打球速度でトラウト&ジャッジ超え」と「一番特徴的な進化」とは<Number Web> photograph by Getty Images

すでに4本塁打を放っている大谷翔平

最強打者トラウトやジャッジも上回る!

 ネクストベースのデータによると、今シーズンの大谷の平均打球速度は151.6キロ(以下のデータは日本時間4月16日時点のもの)。昨シーズンより8キロほどスピードが上がり、全メジャーリーガーの中で11番目に位置する。

 さらに、最高打球速度191.5キロは、チームメートで現役最強打者とも評されているマイク・トラウト(エンゼルス)や、平均打球速度158.7キロでメジャートップのアーロン・ジャッジ(ヤンキース)を上回っている。

 神事氏は「ジャッジもそうだが、プルヒッターはポイントが前にあるので、それだけバットを加速させることができる。引っ張りの打者はスイングを加速させる時間が長くなるのは自然。一方、大谷選手はポイントが体に近いにもかかわらず、速度も角度もある打球を逆方向へ長打にできるのは特殊な高い技術があるから」と語る。

 飛距離は「打球速度」と「打球の角度」が大きな要素となる。同じ打球速度でも投手の球速や球種、球場や天候など様々な条件によって変わってくるが、ネクストベースの算出では、打球角度が30度で打球速度が140キロの時は、飛距離が105.5メートルとなる。

 それに対して、同じ打球角度30度で打球速度が170キロまで上がると、飛距離は135.3メートルまで伸びる。つまり、打球速度が10キロ変わると、飛距離が約10メートル違ってくる。

“初球スイングのクオリティ”がものすごい

 今シーズン、大谷の打球速度が上がっている理由として、神事氏が着目しているのは「初球」だ。昨年まで54%だった初球をスイングする割合が、今年は86%まで増え「今年、一番特徴的なのは初球から振っていること。

 しかも、初球を振った空振りの割合が昨年は46%だったが、今年は21%。初球からスイングして、かつ空振りをしないというすごい特徴を持っている。僕たちが持っているデータでは、初球にストライクを取られるかどうかで、打球の速度が平均4キロ変わる。打球の角度も約3度変わってくる」と説明した。

 神事氏は、初球から迷いなくスイングして空振りが大幅に減っている背景には「データ」と「経験」があると見ている。

「初球に何がくるのか、投手の傾向をつかんでいると思う。大谷選手が経験で積み重ねたものに加えて、エンゼルスは監督もデータが好き。僕は"ハイボール革命"と呼んでいますが、今メジャーでは高めの直球をどのように使うかが主流となっている。大谷選手は高めの直球への対応がかなり順調で、しかも初球からスイングできているのが今の活躍の背景にあるのではないかと思っている」

初球からスイングしていくメリットとは

 森本氏は大谷が初球からスイングするメリットを、こう分析する。

【次ページ】 好調を象徴するホームランは“あの一撃”

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