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【メジャー3年目】菊池雄星の「粘り」を生む新フォーム…ヒントは“岩隈久志の立ち姿”と“モンスター井上尚弥の平行移動”?
posted2021/04/20 11:01
text by
木崎英夫Hideo Kizaki
photograph by
Getty Images
メジャー3年目を迎えた菊池雄星が粘りの投球を続けている。
4月16日のアストロズ戦で今季3度目の先発登板。7回を6安打5失点で勝敗は付かず、3試合連続のクオリティ・スタート(6回以上、自責3以下)とはならなかったが、2019年8月以来となる7回を投げ切った。
登板後は「粘り強く常に6回、7回まで投げることでチームから信頼を得られると思う。とにかく1イニングでも多く投げたいと思います」と表情が曇ることはなかった。
新フォームに深める自信
収穫はまだある。初勝利を挙げられなかった登板も「腕が気持ちよく振れてすべてのボールが良かったと思います。フォームで迷うことはありません」と上体のぶれを抑えた新フォームに自信を深めた。
昨季は、球威向上のために左肘が高く上がるフォームで臨んだが、今季はゆったりと上げた右足を一度止め、そこから引き上げた膝を一気に下ろし最後は蹴る反動を使って踏み込んでいく制球を重視した形に修正。4月10日のツインズ戦終了後のオンライン会見で、新フォームについてポイントを聞くと、菊池は片足の挙上位での姿勢を挙げた。
「真っすぐ立つのはすごく難しいんです。形ではそう見えていても、足の裏がどうなっているか、どこに重心があるかなど映像じゃ見えない部分があります。そういう細かい部分も含めて、オフシーズンに取り組んでいました」
一瞬間を置き、言葉を継いだ。
「岩隈さんに『タイミングとバランスを1年間通して大事にしていったら、絶対にいいことが起きるよ』と言ってもらいました。シーズン中もしっかり反復をしながらもっと完成度を上げられるようにやっていきたいと思います」