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スペインに“89年ぶりの屈辱”…15年の長期政権レーブ監督が辞任表明 ドイツ代表はEUROで「最高のお別れ」ができるか
posted2021/04/17 17:02
text by
中野吉之伴Kichinosuke Nakano
photograph by
Getty Images
ドイツ代表を率いるヨアヒム・レーブ監督が、今夏開催予定の欧州選手権後にその職を辞すると発表したのが3月のこと。監督就任は2006年のドイツW杯後なので、実に15年という長期政権を築いてきたことになる。
日本代表は、この15年間にイビチャ・オシム、岡田武史、アルベルト・ザッケローニ、ハビエル・アギーレ、ヴァイッド・ハリルホジッチ、西野朗、さらには森保一と、7人が監督を務めている。
クラブの監督もそうだが、代表監督も大会の結果や試合のパフォーマンスだけではなく、世代交代、方向性の不一致、健康的な問題や内部衝突など様々な原因で解任・辞任となることは少なくない。
サッカー界ではいろいろなことが起きる。それだけに、世界的にはそのくらいの頻度で監督が代わることのほうが普通で、レーブ監督の足跡は驚異的なことだ。
ロシアW杯から狂い始めた歯車
レーブ監督は、長期にわたって結果を残してきた。
2008年欧州選手権準優勝、10年W杯3位、12年欧州選手権ベスト4、14年ブラジルW杯優勝、16年欧州選手権ベスト4。この5大会において、すべてベスト4以上となった国はドイツの他にはない。
ところが、18年ロシアW杯から歯車が狂い始めてしまう。優勝国として参戦しながら、グループリーグでまさかの敗退。このショックは今もドイツに深く刻み込まれている。
W杯通算優勝4回を誇るドイツにとって、国際ビッグトーナメントでは最低準決勝まで進出しなければ批判に晒される。偉大なOBがメディアで「我がドイツ代表のあるべき姿」と語るのは、もはや恒例行事だ。
ロシアW杯後に将来を見据えた世代交代が必須という状況であっても、コロナ禍で代表活動が困難な状況でも、結果と内容は常に比較されてしまう。
「求心力に衰え」
「レーブの引き際はいつになるべきか」
そんな批判や議論が増えてきていたなか、歴史的な敗戦がドイツを襲った。