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エディー解任騒動に“血の契約”を結ぶ選手が反論? 欧州の名将たちが試行錯誤する2023年W杯へのピーキングとは

posted2021/03/31 17:00

 
エディー解任騒動に“血の契約”を結ぶ選手が反論? 欧州の名将たちが試行錯誤する2023年W杯へのピーキングとは<Number Web> photograph by Getty Images

優勝候補と目されながらも、シックスネーションズは5位で終わったイングランド代表。だが、指揮官エディー・ジョーンズはきっと“本番”に照準を合わせてくるはずだ

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竹鼻智

竹鼻智Satoshi Takehana

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 歴史上初めて“無観客試合”で行われた2021年シックスネーションズ(ラグビー欧州6カ国対抗戦)。

 フランス代表チーム内で新型コロナウイルスのクラスター感染が起こるなど、予想外のことも起こったが、大会は無事に全日程を消化。延期分として最後に行われることになった試合で優勝を懸けて臨んだフランスがスコットランドに敗れたことで“穴馬”ウェールズが大会を制する形となった。

 昨季の同大会と2020年秋限定で行われた「オータムネーションズカップ」を制していたイングランドは、今大会でも優勝候補筆頭とされていた。しかし、初戦でスコットランドに、第3節ではウェールズに敗れたことで、早々に連覇の可能性が途絶えてしまった。進境著しいフランスとの熱戦を制してなんとか名目を保ったが、最終節ではアイルランドに敗れ、最終的には屈辱的な5位でフィニッシュ。当然、指揮官エディー・ジョーンズには、地元メディアや目の肥えたファンから厳しい視線が送られている。

W杯にピークを合わせる難しさ

 ラグビーに限らず、「代表チームのヘッドコーチ(HC)という仕事は、W杯を軸とした4年サイクルのプロジェクト」という言葉はスポーツファンであれば聞いたことがあるはずだ。

 過去のW杯で、オーストラリア代表(03年大会準優勝)、日本代表(15年大会で史上初の予選リーグ3勝)、そしてイングランド代表(19年大会準優勝)をHCとして率いたエディーHCはこの4年サイクルのマスタープランとして、「最初の2年は選手層の構築、次が戦術オプションの拡大、最後のW杯準備合宿でフィットネスを上げる」という流れを語っている。代表戦は常に勝利が義務づけられているとはいえ、4年に一度、チームの状態をピークに持っていくことに最も重きを置くのだ。

 当然、今回シックスネーションズを戦った6人のHCの頭にもよぎるのが目先の結果だけではなく2023年に控えるフランスW杯だ。常に結果も求められる中、欧州の名将たちは、どのような考え、戦略、そして思いを持って今大会を戦ったのだろうか。

【次ページ】 ウェールズを優勝に導いたNZ人

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