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「すごく憧れた」上田綺世とオランダ天才肌FWの師弟関係…“小野伸二の戦友”ファンペルシ監督が授けた極意「今のウエダと重なる」地元記者ズバリ
posted2025/10/21 06:14
上田綺世はオランダ名門フェイエノールトでゴールを量産し、得点ランキング首位を独走している
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サミンドラ・クンティSamindra Kunti
photograph by
ANP,Getty Images
現リバプール指揮官も認める上田の才能
フェイエノールトの新監督ロビン・ファンペルシは地元ロッテルダムで生まれ、フェイエノールトのユースからファーストチームに昇格。小野伸二らと共に2002年のUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)を制した後、アーセナルやマンチェスター・ユナイテッドなどでも活躍した。この世界的な元ストライカーに、「ものすごく憧れていた」と上田綺世は言う。
そんなかつてのアイドルの言葉は、上田にとって金言として響き、一緒に過ごす時間は夢のようなものだろう。当然、モチベーションは高く維持され、アドバイスの一言一句を聞き逃すことはない。プレシーズンには過去2季のような負傷を繰り返さないように耐久性を高めるトレーニングを課され、そのおかげで上田は良好なフィジカルを保っている。
この点について、ファンペルシ監督はこう語る。
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「アルネ・スロット(前々監督。現リバプール)はいつも、上田についてポジティブな印象を語っていた。もしアヤセが万全の状態であれば、リズムが生まれ、結果もついてくると。今まさに、彼はその状態にある。トップレベルのフィットネスを保ち、周囲との連係も見るからに改善されている」
天才肌ファンペルシが授ける“点取り屋の極意”
左利きの天才肌のストライカーだったファンペルシは、気難しい一面があることで知られているが、今のところ、上田については称賛ばかりを口にしている。敵地で4-0と快勝した第4節スパルタ・ロッテルダム戦後、2得点を決めた上田について、指揮官は次のように話した。
「彼は攻守に重要な存在だ。守備ではハイプレスの掛け方がうまく、相手DFのパスコースを巧みに消す。攻撃ではタイミングよく敵の最終ラインを破るだけでなく、ボックス内にスペースがなければ、効果的に身体を使う。昨季までは、その能力と努力に見合う結果が伴っていなかったので、今のようにそれらが結実するようになり、私も本当に嬉しい。彼との協働は喜びだ。落ち着いていて、指導しやすい選手なんだ」
実際、トレーニングでは密接に“点取り屋の極意”を授ける時もあるようだ。

