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桜庭和志プロデュース“QUINTET”には「甲子園の感動」が? 女子団体巴戦でのドラマに“桜庭の息子”の登場も
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byQUINTET
posted2021/03/22 11:00
2月12日の女子大会は強豪柔術アカデミーの選抜選手で構成されたTEAM CARPE DIEMが優勝した
女子団体巴戦で選手からカウントダウンコールが
3月12日、今年初開催となったEX THEATER ROPPONGIでの大会では、女子団体巴戦で優勝したTEAM CARPE DIEMの選手たちからカウントダウンのコールが発生した。
TEAM Fairtexとの優勝決定戦。守脇美友が相手側の大将(にしてエース)カロリーナ・デ・アモリン・クワハラに引き分けでも優勝が決まるという試合でのことだった。「あと○秒、敵の攻撃をしのげば引き分けで優勝」というシチュエーション、そこにチームの団結力が表れていた。
決勝戦勝利の原動力となったのは、CARPE DIEMの先鋒・内山裕規だった。Fairtexの選手相手に2人抜き、3人目で引き分けて大量リードをもたらした。1試合目で大将だった内山は出番がないまま終わっており、体力を温存できていたことも影響したはずだ。
普段のQUINTETでは4チームのトーナメントが行なわれているが、今回はチーム編成の事情もあり3チームのエントリーに。1試合目でCARPE DIEMに敗れたFairtexが2試合目でTEAM Coroblockと対戦して勝ち、優勝決定戦で再度CARPE DIEMと当たった。Fairtexは1日3試合。最後の試合では疲労困憊だったはずだ。
「そこで、Fairtex頑張れっていうムードが会場にできましたよね」
そう語ったのは大会後の桜庭だ。彼自身がどちらを応援していたというわけではなく、大会の“流れ”が物語や熱につながったということ。
柔術アカデミーの選抜選手も新鮮だったQUINTET
優勝したCARPE DIEMは強豪柔術アカデミーの選抜選手で編成されたチームだ。ただ彼女たちにとっても、QUINTET出場は新鮮な体験だったようだ。QUINTETでは動きが止まると頻繁に「指導」が出され、指導3つで敗退。大将戦が引き分けとなった場合はチーム全体の「指導」数で勝敗が決まる。じっくりと優位なポジションを作ったり、相手のミスを待つ闘いもできる柔術とは勝手が違うのだ。